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【用語解説】いまさら聞けないスマートファクトリーの基礎知識とツール

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記事更新日:2021/02/17

【用語解説】いまさら聞けないスマートファクトリーの基礎知識とツール

こんにちは。マルチブック編集部です。

今後は製造業や他の産業においてDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されることでしょう。今回の記事では、DXの中でも重要なキーワードである「スマートファクトリー」について解説します。

今回は、そんなBPOについて、同じく業務効率化のために使用されるシェアードサービスとの違いも含めて分かりやすく説明していきたいと思います!

スマートファクトリーとは?

スマートファクトリーはずばり「賢い工場」、つまり、5GやAI、IoT技術によって機械がネットワークに繋がれ、そのデータを活用することで業務の効率化をはかる工場のことです。

なぜ今スマートファクトリー?

減り続ける労働力や多様化する市場のニーズなどといった課題に対応するために製造業はスマートファクトリーに取り組むことが求められています。

労働力の激減

 少子高齢化と東京一極集中により日本はいま人手不足に悩まされています。特に製造業には3K(きつい、汚い、危険)のイメージを持つ人が多く、労働力が今後ますます不足するでしょう。2017年の経済産業省の調査によると人手不足は、94%以上の大企業・中小企業において顕在化しており、32%の企業は、「ビジネスにも影響が出ている」と回答しました。

市場のニーズの多様化

 これまでの工場化量産社会では、メーカーが開発した商品を消費者が選ぶという構図でした。そして、モジュール化や消費者ニーズの多様化などにより、製品ライフサイクルの短期化し、さらには消費者が求めるものを自ら発信し、クラウドファンディングという手法で自らがメーカーにもなれる時代になりました。そんな製品のライフサイクルの変化と消費者ニーズの多様化に対応することは製造業の大きな課題の一つでしょう。

スマートファクトリーの起源

 スマートファクトリーは2011年にドイツ連邦政府が主導した「インダストリー4.0」から着目され始めました。インダストリー4.0は第四次産業革命という意味を持ち、スマート工場を中心とした情報の共有と製造プロセスの円滑化をもたらすことが目標です。日本もそれに追従するように「コネクテッドインダストリー」という構想を打ち出しました。世耕弘成経産相はコネクテッドインダストリーの目指す未来は「企業と企業、機械と機械、人と人などがデータを介して“つながる”世界」だと説明しています。

経済産業省

スマートファクトリーの定義は少しづつ変わっているようです。はじめは異常検知など工場の一部をIT化することでした。しかし、部分的な取り組みではうまくいかないことが判明し、次第に製造ライン、工場全体、そして経営まで含めた会社全体を繋げ、可視化するという意味に変化していきました。

スマートファクトリーのメリット

働きやすい工場へ
IoT、ロボット等の導入で生産性を向上させたり、単純作業や重労働を省力化することで労務費を削減できます。さらにテレワークともあいまって、若者、女性、高齢者が働きやすい職場を実現できることでしょう。人工知能等による「匠の技」の見える化によって、若い職員や外国人のスキル習得が手軽になることもあります。

働きやすい2

見える化により無駄をなくす
稼働状況や製造実績をデータ化し、可視化することでこれまで見えなかった工場のエネルギーの無駄や非効率が浮かびあがってきます。例えば、スマートタグを従業員に身に着けさせた工場では、従業員の移動の軌跡から機械の配置が無駄な移動をうながしていることを発見し、機械を移動させました。

トラブルを未然に防ぐ
致命的な欠陥やミス、品質異常を検知し、工場が止まる前に手を打つことができます。自動化だけでなく、「自動制御」「自律的修正」も工場ができるようになるのです。

多様なモノの製造
「必要なものを、必要な時に、必要なだけ。」これまで以上にフレキシブルに、そして、短い周期で商品を大量生産できるようになります。これを応用すれば、オーダーメイドのモノを大量生産の仕組みを活用して作る「マスカスタマゼーション」ができるとされています。

スマートファクトリーに必要な技術

大まかに分けて「IoT」、「AI」、「5G」、「AR・VR」、「クラウド」の5つの技術が挙げられます。

IoT(Internet of Things)とは、モノのインターネットのことで、コンピューターだけではなく、モノもインターネットにつなげようという仕組みです。

IoT とは、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。

出典:IT用語辞典 e-words
ネットワーク

AIは人工知能、知能を持つコンピューターのことです。工場の作業員のミスを感知したり、技能を学習して伝授することも可能になるでしょう。

5Gとは「第5世代移動通信システム」のことであり、高速大容量・低遅延・多接続という特徴を持ちます。4Gよりも通信速度は20倍、遅延が10分の1、同時接続台数は10倍だと言われています。

スマート工場では他の生産拠点とのリアルタイム接続やビッグデータ解析などが不可欠とされていますが、5Gを活用すれば遅延のない他拠点との接続、大容量データの解析といったことが可能になり、工場のスマート化につながります。

出典:Apiste 5Gで工場はどう変わる?5Gのメリットと課題

AR・VRとは映像に現実にはないものを映し出す技術です。

ARは、実際にある画像や映像とCGを合成することで、現実の世界に仮想空間を作り出す技術です。(中略)ARとよく似た言葉で「VR」というが技術があります。VRはCGなどで架空の世界を作り上げて、まるで現実のように見せて体験するための技術や手法です。ARはVRの一つですが、それぞれの大きな違いは「現実世界の情報を活用しているか」ということです。

出典:発注ラウンジ「AR(拡張現実)とは?活用されている例や市場・今後について」

クラウド
クラウドとは「つなぐ存在」であり、データを集約し、いつでもどこでもリアルタイムに情報を共有することが可能です。ERPなどの基幹システムやデータ分析ツールなどを活用し、マーケティングデータ・在庫管理・生産管理・会計などの情報を活用していくことが大切です。
(ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で企業のヒト・モノ・カネの情報を集約し、一元的に管理するシステムのことです。)

クラウド2

未来にあるべきモノづくりの姿

モノづくりには一つの共通した「あるべき姿」は存在しません。製造ラインの形態によっても、製造品目にも、どのようなスマートファクトリーを目指すかが変わってきます。だからこそ、それぞれの工場の持つ「目的」を考え、それを達成できるスマートファクトリーを目指していくべきでしょう。

日本の問題点

スマートファクトリー化の重要性は日本企業でもよく知られ、取り組みをはじめている企業は多く存在します。しかし、その大半は機械やシステムからのデータを収集しているのみであり、その分析はできておらず、全体最適解に繋がる活用ができていないケースが多くあります。経産省が「日本の強みはデータ」と言っていますが、その収集だけでなく、活用するための環境作りが急がれます。

そのデータをまとめ、活用しやすくするためのツールが上記で述べたERPシステムです。また、データは企業の貴重な資産でありますが、災害などがあった際に消滅する危険性があります。しかし、クラウドにアップしていれば、半永久的に保管し続けられます。弊社ではmultibookというソフトを提供しております。スマートファクトリーに取り組む第一歩として、その導入を検討してみてはいかがでしょうか?

製品に興味を持っていただいた方は以下のリンクからHPをのぞいてみてください!👇

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

<参考>
オークマ株式会社 國光克則 キーノートスピーチ「IoT AIを活用したスマートファクトリー構築に向けた取り組み」

三菱UFGリサーチ&コンサルティング(2016)  製造業のビジネスモデルの変化と経営合理化に関する調査研究報告書

経済産業省製造産業局 (2017) 「製造業における人材不足の現状および外国人人材の活用について

総務省|平成30年版 情報通信白書|欧米の事例

スマートファクトリーとは | 製造業のAI×IoT化事例・課題と成功の秘訣を解説

コネクテッドインダストリーズって何?

この記事を書いた人

マルチブック編集部

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