日本のキャラクターグッズを世界に届ける上場企業が直面した、 アメリカ拠点における表計算ソフトでの会計・販売管理の限界と、その解決策
― multibookで実現した多通貨管理と内部統制強化 ―

[取材に対応いただいた方]
株式会社エスケイジャパン AM事業本部 海外部 USA事業課 横河 佑亮 様
株式会社エスケイジャパン 管理本部 経理部 経理課 千田 泰希 様
クレーンゲームの景品やキャラクター雑貨などを企画販売する株式会社エスケイジャパン(東京証券取引所 スタンダード市場上場)は、2009年にアメリカを拠点とした現地法人を立ち上げ、順調に成長を続けてきました。しかし、アメリカ拠点のビジネス拡大に伴い、会計・販売管理では表計算ソフトでの管理が限界に。複数人での作業によるミスの発生や、リアルタイムでの数値反映ができない属人的な業務フローなどの課題が浮き彫りになりました。そこで2025年1月、同社はグローバルクラウドERP『multibook』を導入し、受注から請求まで一元管理できる体制を構築しました。今回は海外部USA事業課の横河様と会計担当の千田様に、multibook導入の経緯と成果についてお話を伺いました。
導入前の課題
- ビジネス拡大に伴い、表計算ソフトでの管理では操作ミスや入力ミスが発生しやすい状況だった。
- 表計算ソフトによる属人的な管理が行われていたため、正確な在庫数や残高をリアルタイムに反映・共有することが困難な状況となっていた。
- 上場企業として求められる内部統制基準を基に管理体制を強化したかった。
multibookを選んだ理由
- 海外取引に必要なドル建て(多通貨)管理に対応していた。
- アメリカ拠点のバックオフィス業務は日本から行っているため、日本語で全て操作できることが安心材料となった。
- 会計・販売の情報をリアルタイムに一元管理でき、人的ミスも防げることから内部統制強化が期待できた。
- 機能や導入効果を踏まえると十分に納得できる価格帯だった。
導入後の効果
- 表計算ソフトでの管理時と比較して業務負担が軽減され、ミスが削減された。
- ロジスティクス側で入力したデータが会計側にシームレスに連携され、売上や在庫をタイムリーに把握できるようになった。
- フローチャート機能により業務の進捗状況が可視化され、案件の進捗が一目で確認できるようになった。
- クラウドシステムによりリアルタイムでの情報共有が可能になり、属人化を解消し管理体制が強化された。
SNS時代の新常識。日米同時展開で成長するキャラクター雑貨ビジネス
御社の事業内容やアメリカ拠点立ち上げの背景について教えてください。
横河様: 弊社はアミューズメント施設、いわゆるゲームセンターで取り扱われるクレーンゲームの景品やカプセルトイ等を企画販売している会社です。また大手雑貨店やキャラクターグッズ専門店で販売されるファンシー雑貨も手がけており、この二つが事業の柱となっています。もっちり体型の「でぶねこ」や「忠犬もちしば」などオリジナル商品も企画していて、みなさまに愛されるキャラクターに育っています。
日本のキャラクターやグッズの人気を見据え、2009年に現地法人「SKJ USA, INC.」をアメリカのカリフォルニア州に設立。現在は、アメリカに出店するアミューズメント施設等と取引しています。当初は苦戦した時期もありましたが、コロナ禍以降は需要が拡大し、売上も順調に推移しています。
日本のキャラクター商品に対する、アメリカ市場の反応はいかがですか。
横河様: 以前は日本で流行った後にアメリカで人気が出るという時間差がありましたが、SNSの発達により状況は大きく変わりました。X(旧Twitter)やInstagramなど、今は全世界の情報をどこでも見られますよね。その結果、日本とアメリカでほぼ同時に同じキャラクターが流行するようになりました。
ですから、アメリカ向けに特別な商品を作るというよりは、日本のものをそのまま持っていくイメージの方が近いです。もちろんアメリカのほうがより好まれるキャラクターもありますが、それは実はレアなケースで、基本的には日本のキャラクターがそのまま人気を集めています。
アメリカでビジネスを展開する上での課題や難しさはありますか。
横河様: 物流面での違いは大きいですね。日本なら大阪から北海道まで3日で届きますが、アメリカでは場所によっては5日から10日かかることもあります。国土の広さによる物流の差は実感するところです。 また、日本のキャラクターが売れるとはいえ、国が違えば言語もルールも違います。日本でOKな仕様がアメリカではNGということもあります。とはいえ、求められているのは日本のデザインそのものですから、その良さを守りながら各国の基準に適合させていくことが重要だと考えています。
表計算ソフト管理の限界。ビジネス拡大に伴う課題の顕在化
SKJ USA, INC.では2025年1月にmultibookを導入されました。導入前はどのような課題を抱えていらっしゃいましたか。

横河様: 当初はビジネス規模がまだ小さかったため、すべて表計算ソフトで管理していました。しかし売上が伸びるにつれて、表計算ソフト管理では限界が生じてきたんです。
私一人で作業している分には問題ないのですが、複数の人が関わるようになると、操作ミスや単純に行を間違えるといったケアレスミスが発生するようになりました。最終的には、請求書の発行漏れなどお客様にご迷惑をかけるような事象も起きてしまい、何か良いシステムはないかと探していたところ、multibookに行き当たりました。
管理体制の面でも課題を感じていらっしゃったのでしょうか。
横河様: そうですね。やはり表計算ソフトでの対応ですと、管理体制の面でも心許ない状況でした。たとえば、私が入力作業を翌日にまわせば、正確な数値をリアルタイムで反映できないわけです。「今、在庫はいくつある?」と聞かれても、私の入力が終わらないと答えられない。つまり、正確な在庫数は私の頭の中にしかないという状況で課題だと感じていました。
『ドル建て管理×日本語UI』が必須条件。海外拠点と日本の本社をシームレスにつなぐ
導入前に他社と比較検討はされましたか? multibook導入の決め手について教えてください。
横河様: 実はマルチブックに話を伺う前に、もう1社検討していたシステムがありました。そのシステムに対しても良い印象を持っていたのですが、ドル建て管理に対応していなかったのです。当社はドルで商売をしているので、それでは困るということで断念しました。
その後、インターネット検索で会計や販売管理システムを探す中でmultibookのことを知りました。1社目の課題だったドル建て管理について相談したところ、「それはできますよ」という返答をいただいたので導入を決めました。 もう一つ大きなポイントとなったのは「日本語対応」が可能だったことです。海外向けのシステムとなると英語が必須になるケースも多いかと思います。ただ、multibookは日本語・英語の両方で全て操作できるということで、これも大きな決め手となりました。アメリカのバックオフィス業務は日本で行っていますから、この点は重要でした。
また導入コストも、機能や導入効果を踏まえると十分に納得できる価格帯で社内稟議を通しやすく特別ネックにはなりませんでした。
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導入前にmultibookに期待していたことはどのような点でしたか。
千田様: 会計を担当している立場からお話させていただくと、導入前に期待していたのは「業務時間の短縮」と「ミスの削減」でした。 表計算ソフトでの管理をやめてシステムに移行することで脱属人化でき、誰が作業しても同じ結果を出せる体制を築くことができます。その結果、業務時間の短縮とミスの削減を実現したいと考えていました。
導入のプロセスで不安だったことはありましたか?
千田様: 表計算ソフトで管理していたものを完全にシステムに移行できるかという点と、基本的にウェブミーティングのみでの導入サポートでしたので、それで十分に理解できるかという不安がありました。
導入時は、multibookでできることとできないことを理解した上で、当社の理想とするフォームに近づけるようにデータを落とし込むことを意識しながら進めました。 最初から全てを理解していたわけではなく、疑問に思ったことや判断がつかない部分については、担当の方に質問させていただきながらすり合わせを行い、最終的に納得のいく形でデータを落とし込んでいきました。
横河様: テスト環境も用意していただいたので事前にシミュレーションをできたのが良かったです。実際に稼働すると、想定漏れしていたこともありましたが、テスト環境を触っていなかったら、もっと苦労していたのではないかと思います。
受注から請求まで一元管理。「業務負担減」「ミス削減」「リアルタイムな業務可視化」を実現
現在、どのようにmultibookを活用されていますか。
千田様: 会計側では、主に会計伝票の機能と債権債務の消込作業に活用しています。入金があった時や出金する際の処理ですね。あとは財務諸表、BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)を出力する際にも使用しており、この3点がメインになります。
横河様: ロジスティクス側では受注から納品、倉庫管理といった在庫管理、そして請求書作成まで、すべての業務をmultibookで行っています。
実際に活用されて、どのようなところにmultibookの良さを感じていらっしゃいますか。
千田様: 会計側からお話しすると、以前は表計算ソフトでしたので、売上や在庫といった部分がどうしてもタイムリーではなく、時間差がありました。そもそもの入力が終わっていなかったりと、月末の残高確定などにも不安定さがあったんです。
今はロジスティクス側で入力したデータがきっちりと会計側に流れてくる仕組みになっていますから、会計側からするとわかりやすい上に、ミスも減りました。これが現在の大きな成果だと考えています。
横河様: multibookにはフローチャートのような機能があり、今どこまで業務が進んでいるのかが一目でわかります。どの業務がどれだけ進んでいるか、できていることとできていないことが、とても確認しやすくなりました。

[図1]multibookの「ロジスティクス伝票フロー図」:受注・発注・入庫・出庫・請求などの伝票入力作業を効率化し、処理状況をビジュアルで一目で把握できる機能。
また管理体制強化という面でもmultibookが果たしている役割は大きいと感じます。クラウドサービスなので、リアルタイムに在庫や会計情報を把握することが可能ですし、マネジメントコックピット機能を使えば重要情報を一目で確認できます。誰か一人が属人的に管理するのではなく、信頼できるデータをチームで効率的に管理できるようになりました。
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なくてはならない存在に。ビジネス拡大を見据えた今後の展開
稼働から1年が経過しましたが、御社のバックオフィスにおいて、multibookはどのような存在になっていますか。

千田様: 今はすべてmultibookで一括管理していますので、もうなくてはならない存在になっています。こういった機能をつけてほしいなどの要望もお伝えしているところですので、改善しながらさらに業務効率を上げていきたいと考えています。
横河様: ようやく1年が終わったところで、これからどんどん使っていこうという段階です。実は想定していたよりも倉庫の数が増えたりと、ビジネス環境の前提が少しずつ変わりつつあります。そういった変化に合わせて、一緒に改善していってもらえればと思っています。
本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に今後の海外展開や、multibookの活用についての展望を教えてください。
横河様: おかげさまでアメリカで商売をしていますと、日本のキャラクター人気は全世界的なものですから、「日本のこういう商品を売ってくれないか」という引き合いを各国からいただきます。ただ、当社が扱うのはライセンス商品が多いため、販売できる地域に制約があるんです。たとえば中東やヨーロッパからお問い合わせがあってもお応えできないというケースがあります。
とはいえ、そういった引き合いがあること自体、ビジネスチャンスの可能性を示していると捉えています。将来的に新たな地域への展開を検討する際にも、multibookであれば拠点を増やすだけで対応できるという安心感があります。取引通貨もドルで統一できるでしょうし、多言語で利用できるためシステム面での心配は少ないと感じています。
まだ新たな地域で事業を展開する計画はありませんが、一度アメリカで導入・運用した実績がありますから、他の地域への横展開も現実的にイメージできるようになりました。これは大きな収穫だと思っています。
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[取材に対応いただいた方]
株式会社エスケイジャパン AM事業本部 海外部 USA事業課 横河 佑亮 様
株式会社エスケイジャパン 管理本部 経理部 経理課 千田 泰希 様
[取材・文]
猪俣 奈央子
お客様概要
- 会社名
- 株式会社エスケイジャパン
- 事業内容
- 株式会社 エスケイジャパン(SK JAPAN CO., LTD./ SKJ USA, INC.) 事業内容:キャラクターのぬいぐるみ、キーホルダー、家庭雑貨、携帯電話アクセサリーグッズ、プライズ商品等の企画・販売



































































































