シリウスビジョン株式会社

「海外クラウド経理部」導入でタイ拠点の月次決算・本社報告を最大10日短縮。現地の経理業務をまるごとアウトソースし、内部統制も強化

[写真左より]シリウスビジョン株式会社 取締役 管理本部管掌 管理本部長 日沼 徹氏、執行役員 財務担当 管理本部 経理部長 鬼澤 裕彦氏、管理本部 経理チーム 長塚 友吾氏

画像検査ソフトウェア開発で急成長を遂げているシリウスビジョン株式会社は、中国、タイ、ベトナムに海外現地法人を展開しています。従来、タイの現地法人では本社への月次レポート提出にかなりの日数を要し、取締役会に間に合わず、四半期ごとの決算短信作成も時間に追われていました。そこでグローバルクラウドERP「multibook」の導入を決意し、更にmultibookを基盤にした海外拠点経理業務アウトソーシング「海外クラウド経理部」を導入。これにより、タイ拠点の月次決算・本社報告にかかる日数を10日短縮し、業務の可視化を通じて現地法人の業務改善・内部統制の強化まで実現しました。

導入前の課題

  • タイ現地法人の本社への月次レポート提出が、毎月の取締役会に間に合わなかった。
  • 上場会社に求められる決算短信報告作成も、時間に追われた。
  • タイ現地法人とコミュニケーションが取れておらず財政状況を正確に把握しづらかった。

multibookを選んだ理由

  • 連絡するとすぐに対応してくれるレスポンスの良さ、サポート力に好感を持った。
  • 現地での経理経験者の採用が難しい中、「海外クラウド経理部」が人的リソース不足をカバーしてくれた。
  • multibookの小回りの利くERPというコンセプト、多言語対応、UIのわかりやすさを高く評価した。

導入後の効果

  • タイ拠点の月次決算・本社報告にかかる日数が10日短縮され、取締役会や四半期決算報告書の作成に余裕が生まれた。
  • 可視化により現地法人に対するガバナンスが効きやすくなり、業務改善が実現した。
  • 「海外クラウド経理部」が現地法人経理担当者の教育係を務めるとともに、本社も気軽に相談できる相手になっている。

画像検査ソフトウェア開発企業へ業容を大きく転換

―― 貴社の事業内容をご紹介ください。

日沼:シリウスビジョンはもともと、ゴルフボールのような表面が平らではないものに印刷ができる特殊印刷機を製造・販売する会社でした。この機械が非常に好評で株式上場も果たしました。その後、違う分野で勝負しようと力を入れ始めたのが、印刷物を対象にした画像検査ソフトウェア開発です。これが非常にヒットし、この分野に焦点を絞ることを決意し特殊印刷機の事業を売却し、本社を大阪から横浜へ移転しました。画像検査ソフトウェアは、AIテクノロジーを積極的に採り入れ、お客様から好評をいただいております。

現地に依存しない経理体制の確立をめざし、「海外クラウド経理部」を導入

―― 今回、グローバルクラウドERP multibookとともに、弊社の海外拠点経理業務アウトソーシング「海外クラウド経理部」をご導入いただきました。どのような経緯だったのでしょうか。

日沼:当社には、中国の上海、タイ、ベトナムに海外拠点があります。お話ししたように業容が大きく転換する中で、海外現地法人の経理体制もガバナンスを強化したいと考えました。

鬼澤:たとえば、「海外クラウド経理部」の導入対象にしたのはタイですが、ここは当社製品の販売拠点です。現地の会計事務所に経理業務を委託しており、従来は、会計事務所に月末月初、証憑を送付してから10日後にならないと月次レポートがこの会計事務所から大阪の海外事業担当部門に届かず、10日後でも出てこないことがありました。さらに、現地の状況が見える体制になっていなかったためレポートの遅延の原因も把握できていない状態でした。月中にタイ現地とのコミュニケーションはなく、本社に届くのは最終的な結果レポートだけで、その時点で初めて増減分析や不明な勘定・残高の確認をすることになりますが、何か不明点があればそこから大阪や会計事務所に問い合わせることになるため、おうおうにして毎月第2木曜日に開催する取締役会にも間に合いませんでした。

また、上場会社は四半期ごとの決算短信を45日以内に開示することが法令で定められています。連結決算も対象ですから、四半期に締めた翌月の下旬ごろにはもう監査法人に完成した報告書を見てもらう必要があります。期限がある中で現地への確認や調査、そして監査法人からの指摘の修正を行う必要があるため、当社内での報告書作成が非常に時間に追われる状態でした。

日沼:以前本社の会計システムをSaaSに切り替えたので、これと同期を取って海外現地法人の会計システムもSaaSにして大阪の海外事業部や現地会計事務所を挟まずとも、リアルタイムに本社で現地の業績を見られるようにしようと考えました。ここで重視したのがベンダーサポートです。SaaSだからといって「御社側で勘定科目をすべてご自身で設定してください」と要請されても、こちらも最低限の人材リソースで会計・経理業務を行っているため難しいものがあります。そうした中Webで探してたどり着いたのがmultibookでしたが、話を聞いてみるとmultibookの導入サポートだけではなく、海外拠点の経理業務自体もまるごと引き受けてくれるという海外経理のアウトソーシングサービス「海外クラウド経理部」があることを知りました。

―― グローバルクラウドERP multibookを選んでいただいた決め手は何でしたか。

日沼:連絡をしたらすぐに飛んできてくれた、そのレスポンスのよさにまず好感を持ちました。小回りの利くERPを目指すというコンセプトもよく、この先会社が成長し続けても使い続けられるERPだなと思いました。

鬼澤:「海外クラウド経理部」という海外拠点の経理業務を代行するBPOサービスがあったことも大きかったです。タイという国は、CPDという資格を持った人間でないと最終的な経理の責任を負うことができないのですが、当社の現地法人でそのような資格者を採用するのが難しいという現実がありました。そうした中で、multibookを使うと同時に、そのmultibookを使って実際に現地の経理業務を行ってくれるBPOサービスを利用することで、人的側面でも支援してもらえるというのが非常に助かりました。

日沼:サービスがマルチリンガルだったことも非常に大きなポイントでした。multibookに関しては、担当者のトレーニングがあまり必要そうにない、直感的に作業ができるUIも選定を後押ししました。

タイ拠点の月次決算・本社報告を10日短縮。可視化により現地法人経理業務の改善も可能に

―― 2023年7月から利用をスタートされましたが、現在の活用状況はいかがでしょうか。

鬼澤:multibookを軸とすることで、月末締め日が来れば、自動的に報告書が完成していますし、仕訳レベルの情報まで、現地のデータをいつでも見られる状態です。さらに「海外クラウド経理部」が確実かつスムーズにタイの月次レポートを作成してくれるため、本社で実施する連結作業も確実に早く終わるようになりました。そのため、第2木曜日の取締役会にも、連結決算の報告書作成も十分な余裕を持って対応できるようになりました。

財政状況をつぶさに見られるようになったことは非常に大きく、タイ側の経理業務を本社主導で改善できるようになりました。今までは月に一度出てくるレポートが唯一の接点だったので、それに比べると大きな違いです。

日沼:これまでは渡航した際に現地法人からブリーフィングを受けることで現地の状況を把握していました。彼らを信じるしかないという状況にモヤモヤしたものを感じていましたが、multibookによってリアルタイムに自分たちで現地の業績を確認できるようになり、それが払拭されました。

鬼澤:今、タイでは経理経験者を雇うのが難しく新卒を採用していますが、「海外クラウド経理部」が実質的に彼らの教育係を担っているため、とても助かっています。経費の入力方法など、基礎的なことから懇切丁寧に指導してくれるため、当社の新入社員も何かと「海外クラウド経理部」を頼りにして、あれこれ問い合わせているようです。「海外クラウド経理部」が現地との橋渡し役になっていて、本社側で不明点があれば日本語で問い合わせができますし、現地のスタッフはタイ語でマルチブックのタイ人スタッフに相談ができるのでコミュニケーションがスムーズになりました。

また、「海外クラウド経理部」が第三者として存在することで、現地のガバナンス強化にもつながっています。

日沼:相談できるというのは私たちも同様です。海外の財務制度というのは、日本にいる私たちにはいろいろわからないことが多いものです。その点、「海外クラウド経理部」はタイの事情に通じているプロフェッショナルなため、タイで株式を売却する必要な手続きや、タイ語で提出された契約書を英語に翻訳する際、専門的な翻訳会社を、気軽に尋ねることができます。情報は正確で品質も高く、全幅の信頼が置ける相談先ができたのは大きく、マルチブックには会計システム、BPOサービス以上の価値を感じています

貴社の海外拠点の決算早期化や内部統制強化を実現!「海外クラウド経理部」とは?>>

―― 長塚さんは本社側のmultibook担当者と伺っています。

長塚:2024年8月に前任者から引き継いだばかりですが、multibookのUIは非常にわかりやすく、短時間で習得できそうです。目標としては、連結決算報告書の早期作成をしっかり支援するということです。取締役会の遅くとも前日には完成できれば、経営予測にも役立てられるので、早く作ることが大事です。私のところで止めないように、サイクルの確立に力を尽くしたいと思います。

―― 今後の展望をお聞かせください。

鬼澤:タイの経理業務に関してはmultibookと「海外クラウド経理部」を活用するようになりましたが、中国とベトナムについてはまた別の方法で行っているので、将来的には統一できればと考えています。

日沼:multibookと「海外クラウド経理部」によって、海外現地法人のガバナンスが大きく変わったため、これをすべての現地法人に導入したいです。マルチブック社には、中国とベトナムでも同様のサービスを展開してもらえるとうれしいですね。

海外拠点の決算早期化や内部統制強化を実現!海外経理アウトソーシングサービス「海外クラウド経理部」のサービス紹介資料をメールで受け取る>>

[取材に対応いただいた方々]
シリウスビジョン株式会社 取締役 管理本部管掌 管理本部長 日沼 徹氏
シリウスビジョン株式会社 執行役員 財務担当 管理本部 経理部長 鬼澤 裕彦氏
シリウスビジョン株式会社 管理本部 経理チーム 長塚 友吾氏

お客様概要

  • 会社名

    シリウスビジョン株式会社

  • 事業内容

    画像検査機、画像検査ソフトウエアおよび画像検査関連製品の企画、開発、販売、技術支援と、シリウスビジョングループ全体の経営戦略の企画・策定・推進、最適な体制の構築、各事業会社の経営の監督および知的財産の管理

  • URL https://siriusvision.co.jp/

海外拠点管理にお困りの方は、
お気軽にご相談ください