経理代行とは|概要からメリットデメリット・費用相場まで詳細解説

経理アウトソーシング(BPO)

記事更新日:2023/10/18

経理代行とは|概要からメリットデメリット・費用相場まで詳細解説

まるで自社の経理部門のように貴社の海外子会社の経理業務を代行!

海外経理業務代行サービス「海外クラウド経理部」のサービス資料はこちら>

海外経理アウトソーシング「海外クラウド経理部」の田中です。

経理代行とは、企業の代わりに経理業務を行う外注サービスの総称です。コストカット、人材不足にも役立ち、場合によっては自社経理よりも効率がよいとされていますが、依頼できる業務範囲やデメリット、費用面の不安があるという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、経理代行業務の概要に加え、メリットデメリットから料金相場まで詳細に解説します。

経理代行とは

経理代行の依頼を検討する前に、経理代行が具体的にどのようなものなのかを確認しておきましょう。ここでは、経理代行の概要と混同されがちな記帳代行の違いについて解説します。

経理代行の概要

経理代行とは、企業や個人事業主が自分で経理業務をしなくても良いよう、専門の会計士や経理のプロに仕事を依頼するアウトソーシングサービスです。

経理業務を行う際は、ある程度の専門知識が必要ですが、昨今国内外で深刻化している経理人材不足の中で、専門性の高い人材を採用したり、経理業務が可能な従業員を育てるには時間と費用がかかります。また、苦労してせっかく採用できた経理人材の離職率が高いと言う課題を抱えている企業様も多いようです。

経理代行会社に依頼すれば、日々の帳簿つけや給与計算などを代わりに行ってくれます。自分の時間と労力を節約できるだけでなく、専門家のアドバイスも受けられます。また、経理代行を利用することで、収集した数値の分析や、それを活かした経営戦略の検討に集中できるようになります。経理代行は、効率的でリスクを減らすだけではなく、本来の業務に注力し事業をより発展させる企業体制づくりの一つとして活用されています。

経理代行と記帳代行、税理士の違い

経理代行と記帳代行は、依頼する業務の範囲において違いがあります。

経理代行と記帳代行の違い

・記帳代行:金銭の動きを含む、業務内で発生する記帳業務のみを行う

・経理代行:記帳だけでなく支払処理や債権管理など経理業務全般の代行を指す

それぞれ業務範囲と職責が異なり、単純比較ができないため、依頼を検討する場合は注意が必要です。

経理代行と税理士の違い

税理士に依頼すると、決算申告や税務申告などの税理士資格がないとできない業務にも対応してもらえます。

経理代行をおこなう際には、税理士資格がないとできない業務も含まれるため、どこまで依頼したいかなどを整理した上で、適切なパートナーに依頼する必要があります。

経理代行に依頼できることとできないこと

経理代行業務では、依頼が可能な範囲と可能ではない範囲があります。ここでは、経理代行に依頼ができることとできないことを解説します。

経理代行にできること

では、経理代行を依頼する時に、具体的にどのような業務を依頼することができるのでしょうか。

経理代行サービスに依頼できる内容は以下のとおりです。

・記帳業務

記帳業務は、企業や個人事業主が日々の財務取引を正確に文書化するプロセスです。これには収入と支出の記録、仕訳帳の作成、仕訳入力などが含まれます。正確な記帳は、会計情報の整理と将来の決算・税務申告に不可欠です。

・売掛金・買掛金管理

売掛金管理は、顧客からの未回収の売掛金を追跡し、収金処理を管理する業務です。買掛金管理は、取引先への未払いの買掛金を管理し、支払いをスケジュール化します。両方の業務はキャッシュフローの管理と企業の健全性に影響を与えます。

・決算・申告業務

決算業務は、特定の期間(通常は年度末)の財務報告書を作成するプロセスです。これには財務諸表(貸借対照表、損益計算書)の作成が含まれます。申告業務は、税金や法的要件に基づいて税務申告書を作成し、税金を正確に申告するプロセスです。両業務は企業の財務健全性と規制順守に関連しています。

・給与計算
給与計算は、企業が従業員に支払う給与を計算し、支払いを行うプロセスです。これには基本給、手当、賞与、控除項目(社会保険、所得税など)の計算が含まれます。正確な給与計算は労働法や税法に準拠し、従業員に適切な給与を支払うために不可欠です。


・年末調整業務
年末調整業務は、年度末に従業員の給与明細を確認し、年間の所得税や社会保険料の調整を行うプロセスです。これには給与明細の確認と修正、年末調整の書類作成、税務申告書への情報提供が含まれます。正確な年末調整は、従業員と企業の税務上の正確さを確保し、過不足なく調整を行うことを目的とします。

このように、記帳業務をはじめ、経理に関連する業務は全般的に依頼を行うことが可能です。

経理代行に依頼できないこと

反対に、経理代行サービスに依頼できない業務についても紹介します。依頼できない業務は以下の通りです。

・資金運用業務
資金運用業務は、企業や個人が持つ資金を効果的に運用し、収益を最大化するプロセスです。これには銀行預金、株式・債券投資、不動産投資などの資産クラスの選択と管理が含まれます。目標は資産の増加とリスクの最小化であり、戦略的な資金運用は財務安定性に寄与します。

・資金調達業務
資金調達業務は、企業が新しい資金を調達し、事業の成長や運営資金の確保を目指すプロセスです。資金調達の方法には銀行融資、株式発行、債券発行、投資家からの調達などがあります。資金調達は戦略的な資本構築と事業拡大のために不可欠で、経営の成功に影響を与えます。

その他、経理業務と関係のない業務についても依頼することはできません。
従業員が経理業務を担っていた場合、資金関連業務を経理担当者が担っているケースも少なくありません。しかし、代行を依頼する場合は資金関連業務は依頼できないため注意が必要です。

経理代行を活用するメリット

経理業務を社内人材が兼任していた場合、経理代行を依頼することでさまざまなメリットが得られます。ここでは、経理代行を活用するメリットを解説します。

コストの削減

経理業務は基本的には会社の売上や利益に貢献することはありません。そのため、経理人材を専任した場合は余分な人件費が発生しているともいえるでしょう。

しかし、経理代行を利用することで固定人件費が必要なくなるため、大幅なコスト削減に繋がります。経理担当者が辞めてしまった場合の人材面の問題解決にも繋がるため、金銭的コストはもちろん時間的コストも削減できるでしょう。

ミス・不正の防止

経理は細かい数字を扱うことに加え、簿記や法律に関する専門的な知識も必要なためミスが発生しやすい業務とされています。

慣れていない人材に担当させた場合はミスが発生する可能性が高くなりますが、経理業務に慣れた代行担当者であればミスは発生しにくくなるでしょう。

加えて、経理業務は情報のブラックボックス化による不正が発生しやすい業務でもあるため、経理代行会社と契約して依頼を行えば不正防止にも役立ちます。

本業への専念

創業間もない会社や中小企業では、経理専任の担当者を置かず経営者や他の従業員が経理業務を兼務することは珍しくありません。

そのため、専門知識を持たない方が経理業務を担当した場合は慣れない作業で手間や時間がかかり、本業に支障をきたす可能性も少なくありません。

しかし、経理代行を導入した場合は経理業務の時間を割く必要がなくなるため、本業に集中できるようになるでしょう。

経理代行を活用するデメリット

経理業務を代行する場合、メリットと同時にいくつかのデメリットが発生します。ここでは、経理代行を活用するデメリットを解説します。

従業員の育成ができない

経理代行を活用した場合、経理の知識やノウハウは企業に蓄積されません。そのため、既存従業員の知識向上やスキルアップを図ることは難しいでしょう。

自社に経理代行業者の担当者を置くことになった場合、業者は新人担当者の育成を行いません。そのため、代行業者から企業へ業務を引き継ぐ際は不便さを感じることもあるでしょう。

情報流出のリスクがある

領収書などの書類を代行業者へ送付する場合、送付間違いが生じないよう細心の注意が必要です。代行業者の書類の紛失により、思わぬ所で重要情報が流出するリスクもあります。

経理代行を依頼する際は、代行業者は情報管理に万全な体制を整えているのか、あらかじめ確認することが大切です。

コストが高くなる可能性がある

経理代行業者は、従量課金制を採用しているところがほとんどです。具体的には、処理する伝票数や仕訳数によって派遣従業員よりコストを抑え、企業の要望に対応できるようさまざまなオプションを設けています。

オプションの利用で派遣社員と同等かそれ以上の料金になる可能性もあるため、依頼の際は注意が必要です。

経理代行の種類と費用相場

経理代行業務には、業務の種類ごとの費用相場が存在します。ここでは、経理代行業務の種類に加え、費用相場まで解説します。

記帳代行:1仕訳あたり50円〜100円

記帳代行では根拠資料をもとに複式簿記により仕訳を行い、会計帳簿を作成する業務を依頼可能です。

料金は1仕訳あたりの単価で設定されている場合が多く、1仕訳あたり50円〜100円が相場です。小規模な事業者であれば毎月数千円程度の料金ですが、大企業になると数万円単位の料金がかかるでしょう。

決算代行:5万円〜20万円

経理代行では、決算書の作成や法人税の申告も依頼可能です。

決算代行を依頼する際の料金は5万円〜20万円が相場となり、会計士などの専門家に依頼する相場の15万円〜25万円よりも安い傾向にあります。

法定調書や償却資産税申告書などの対応も依頼した場合は、さらに10万円〜20万円程度の上乗せが一般的です。

経理代行サービスの選び方

経理代行サービスの依頼を検討する場合は、自社に合ったサービス業者を選ぶことが重要です。ここでは、経理代行サービスを検討する場合の選び方を解説します。

業務内容や範囲は自社に合っているか

経理業務の範囲は広いため、どこまでを外部委託をするのか検討する必要があるでしょう。

資産管理業務になるとスタッフの専門性が求められるため、イレギュラーな業務も依頼したい場合は、依頼先はさらに絞られます。

自社の依頼したい業務内容を明確にし、範囲を正確に定めた上で依頼を行いましょう。

セキュリティの取り組み状況は適切か

経理代行を外部に依頼することは、売上や仕訳内容といった重要データを外部に持ち出すことでもあります。そのため、経理代行サービスのセキュリティについての取り組みは必ずチェックしたい項目です。

スタッフのセキュリティ水準やデータが持ち出せないような配慮など、情報管理ポリシーが適切に設定されているかなどの事前確認が必要です。

継続的な対応を必要としているか

経理の作業量は、会社の成長に合わせて変化します。そのため、起業したばかりの企業、上場企業、業務縮小を行おうとしている企業、企業の状況によって経理内容も変化が生じます。

自社の状況と将来を見越した上で、経理代行について検討する必要があるでしょう。

経理代行サービス導入までの流れ

経理代行サービスを導入するまでの流れは下記の通りです。

・相談/アセスメント
経理代行業者がお客様の目指すゴールを理解し、どの範囲までの代行するかを調査、検討します。

・提案/見積/契約
お客様にあった代行業務を提案、見積し、お客様とすり合わせの上、ご契約いただきます。

・要件定義/経理代行環境構築
ご契約いただいた経理代行範囲の運用に必要なシステム環境構築、レポートの定義、チェックリストの作成等を行います。

・業務開始
担当者がお客様の経理業務を運用いたします。あわせて改善活動も継続し、業務運用を最適化していきます。

経理代行といっても代行業者によって対応範囲はさまざまです。相談の時点で自社の希望する業務を行うことが可能かどうかはしっかりと確認しましょう。

おすすめの経理代行サービス6選

世の中にはたくさんの経理代行サービスがあります。

いくつかおすすめの経理代行サービスをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

smart経理:

smart経理は、経理業務をシンプルかつ効率的に行うためのクラウドベースのサービスです。経理に係る業務全てに対応しているため、経理専任の担当者がいなくても、経理業務全般を対応してくれます。データへ簡単にアクセスができ、PCからはもちろん、スマホやタブレットなどからでも閲覧することができます。費用も安く、中小企業やスタートアップ企業におすすめです。

CASTER BIZ 経理:

CASTER BIZ 経理は、経理代行とクラウド会計ソフトウェアを組み合わせたサービスです。丁寧にヒアリングをおこない、企業ごとの事業や特色に合わせて専門チームを作って業務に対応します。また、短期間でのチームの立ち上げができるので、担当者の急な退職など急ぐ必要がある場面にも対応が可能です。

メリービズ:

メリービズは、仕訳や経費精算などの業務はもちろん、会計ソフトの導入など幅広い領域で支援可能なサービスです。大手〜中小企業まで導入実績があり、基本的な経理業務を包括的にカバーし、顧客志向のアプローチでニーズに合わせたカスタマイズが可能です。

NOC経理アウトソーシング:

NOC経理アウトソーシングは、中堅から大手企業向けの高度な経理代行サービスを提供しています。30年以上サービスを提供していて、1,000社の導入実績があります。戦略的なサポートを提供し、監査サポートや財務分析など、経営を支える幅広いサービスを提供します。大規模企業に向いています。

NTTファイナンス 経理業務アウトソーシングサービス:

NTTファイナンス 経理業務アウトソーシングサービスは、比較的規模の大きい企業向けの経理代行サービスです。記帳代行や現金出納の管理・財務諸表の作成などの経理業務や決算業務を依頼できます。実務経験の多いスタッフが業務を代行するので、正確で効率的な業務実施が可能です。また、ビッグデータをもとにしたコスト削減や業務改善などの提案も可能です

パーソルワークスデザイン経理業務アウトソーシング

BPO専業50年のノウハウを活かし、お客様ごとにカスタマイズができるアウトソースを実現します。業務のDX化による工数削減、人的スキルに頼らない業務運用、お客さまごとの課題にあわせてカスタマイズ等をご提案することで、経理業務を効率化を実現します。

海外経理アウトソーシング「海外クラウド経理部」とは?

弊社マルチブックが提供する、海外経理アウトソーシングサービス「海外クラウド経理部」では海外子会社の基本的な経理業務にとどまらず、本社と海外子会社間のやりとりや、本社に必要な連結データ、分析レポートの作成などの本社報告業務にかかわる作業までまるっと代行いたします。

リーズナブルな料金プラン

トラック台数など、非会計情報も取り込み可能

海外拠点の見える化機能だけでなく、会計ソフトとしての機能もある

記帳代行会社と比べて、本社の業務代行もできる

経理プロセスをDX化できる

といった点に強みがあります。もしも海外拠点管理にお困りの方がいらっしゃれば、ぜひご検討くださいませ。

サービス資料の無料ダウンロード>

まとめ

経理代行の依頼を検討する前には、経理代行が具体的にどのようなものなのかを確認した上で、自社に合う代行業者を適切に検討しましょう。国内の経理代行業社は数多くありますが、海外拠点も含めた経理代行を行なっている業者となるとほとんど選択肢がありません。

海外展開をしており、各国の経理業務のノウハウや慣習に精通している経理代行業者をお探しの場合は、multibookをおすすめします。クラウド型会計・ERPのmultibookでは、海外経理業務のアウトソーシングサービス「海外クラウド経理部」を提供しています。

multibookでは、多言語多通貨・各国法要件に対応しており、世界30ヵ国以上、450社以上の導入実績があります。コンスタントに追加機能を開発していることに加え、低価格で提供しているため短期導入・スモールスタートも可能です。

海外拠点での経理代行導入を検討されている場合は、multibookの導入をご検討ください。

この記事を書いた人

田中 良樹

株式会社マルチブック
執行役員/BPO事業部 事業部長
大手複合機メーカーのソフトウェア営業部門を経て、グローバルERPを開発するベンチャー企業に入社。その後M&AによりSIerに入社し2022年まで在籍。
この間約20年一貫して自社開発グローバルERP事業に携わり、主に海外拠点をもつ日系企業をターゲットに営業、マーケティング、国内会計システムとの事業提携、海外SIパートナーの発掘、クラウドサービスの事業開発等に従事。2018年より営業責任者。
2022年より当社BPO事業責任者に就任。

海外拠点管理にお困りの方は、
お気軽にご相談ください