海外進出のリスクを最小限に!
確実な情報収集で分析環境を備えよう

社長ブログ

記事更新日:2023/04/03

海外進出のリスクを最小限に!<br>確実な情報収集で分析環境を備えよう

皆さんこんにちは。マルチブック代表の渡部です。

海外進出を考える企業にとって、リスク管理は重要な課題です。*JETROの2022年度調査*によると、日本企業の海外進出における成功率は低く、海外進出した企業で「さらに拡大を図る」と答えた企業はわずか40%にとどまります。つまり、進出した企業の多くが現状維持や撤退を考える状況にあり、この結果から、海外進出に成功し海外での拡大を図っていくことは容易ではないということがわかります。本記事では、海外進出におけるいくつかのリスク例を取り上げ、マルチブックが提供するサービスで海外事業のリスクを最小限に抑える方法を紹介します。

 

出典:2022年度|ジェトロ海外ビジネス調査日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査 2023年1月

  

  

M&Aのリスクとマルチブックの活用

最近の海外事業では、海外M&Aを通じて新たなビジネスや市場に参入することがあります。しかし、M&Aにはさまざまなリスクが伴います。その一例として、カーブアウトでのM&Aを実行した場合において、分割会社側で旧来のローカルシステムでの利用が時間的にもコスト的にも制限され、新しいシステムへの移行が必要となることが挙げられます。親会社のシステムが大型ERPであると、現実的にはカーブアウトで取得した企業にシステムをロールアウトすることが時間的に、コスト的にみても現実的には不可能であることが多々あります。こういった状況に対処するために、各国で導入実績もある日本発のクラウド型ERP・会計システムの「multibook(マルチブック)」を活用することが有効です。

「multibook」は、各国バラバラなオペレーションであっても、統一された基準でかなり早い導入が可能です。これまで2日から2週間での短期導入を行った事例もあり、導入後は経営資源配分やリスク管理に有効な情報管理を行うことができます。これにより、M&A後のPMIも安心して進めることができます。

現地統制や管理が不十分な場合のリスク

海外事業において、特に大企業が悩まされる問題は、異なるシステムを利用しているために現地の統制や管理が不十分になり、常に不正行為やコンプライアンス違反のリスクを抱えたまま手をつけていないことが挙げられます。「multibook」は、国別の会計基準や複数の税制に対応した会計を可能にするだけでなく、多要素認証、ログ管理、多段階承認、そして本社基準での複数の勘定科目体系の管理と、グローバル企業が適切に内部統制が効果を発揮した環境下での情報収集と分析が行える安心・安全のコンセプトを持っています。このグローバル時代の会計経理オペレーションには必須の機能群により、上場企業から中小企業、そしてベンチャー企業までもが適切な管理が実施できるよう支援しています。

人材の流動性が高い国でのオペレーションの安定化

日本と異なり、海外では人材の流動性が高く、オペレーションの安定化が困難な状況があります。特に海外進出を検討する日系企業にとっては、この問題が重要な課題となるでしょう。経理などのバックオフィスにおいても現地の労働市場に対する理解と、現地のビジネス環境に適応するための柔軟性が必要です。

このような人材の流動性が高い状況下で、オペレーションの安定化を図ることは、海外進出において欠かせないものとなっています。「multibook」を活用することで、統合されたERPでグローバルに統一された会計処理を可能とし、見える化、そして標準化を早期に実現することができます。世界中どこからでも利用が可能なクラウドサービスにより、例えば高コストのシンガポールの経理を、低コストの国でサポートするということも可能です。これまで大企業だけのものだった自社のグローバルベースのシェアードサービスセンターの構築を、「multibook」を使って実現するということももはや夢ではなくなりました。

予防コストと失敗コストの言及

海外進出リスク管理においても、予防コストと失敗コストについて理解することは重要です。旧来型のグローバルERPは高額な投資が必要となり、これまで日本企業の中小規模拠点においては、海外進出のような重要な戦略でもIT投資が不十分な点がありました。そのため、数年後に大きな会計上・税務上の問題が発生したり、不正な行為があった場合には莫大な失敗コストを負担することがありました。しかし、今ではクラウド型ERPによってサブスクリプションによるIT投資がERPでも可能になり、情報システムに適切な投資を行うことで、リスク管理がタイムリーに行われ失敗コストを最小限に抑えることができます。「multibook」は、海外クラウド経理部と称して、これまで難易度の高かった海外における経理の立ち上げやERP導入までも同時に行える、経理のBPOサービスを提供しています。このBPOサービスを通して企業が適切な予防コストで安心の海外経営ができるよう支援しています。

情報の遅延とその対処方法

海外事業を行う際、目先のコスト優先で各国のローカルにまる投げで運営すると、安く見えていて実は見えないコストやリスクが発生していることがあります。例えば日本の親会社の基準に変更する作業があります。1か国ならまだしも複数の海外子会社からあつまる精度の低い、体裁も統一されないデータは本社経理に莫大な負担を強いています。勘定科目や為替レート、取引先などデータの標準化は後回しにすることなく最初から統合した運用を目指しましょう。

よく言われる『業務が回っている』というのは実は『どうにかして現場が回している』にすぎません。ダイナミックに変化する海外経営においては、情報が早く入手できることを重視し、情報の遅延を防ぐ取り組みが最大の経営リスク回避策です。そのためデータのサプライチェーンを俯瞰し、スムーズに流れる体制を作ることが重要です。

財務諸表が何日も経ってから手元に届いているようでは現代の経営とは言えません。単に提供されれば良いという発想は捨てるべきであり、グローバルで3営業日や10営業日など明確な目標をもってグローバル経営を行うことが経営リスクを抑える要諦です。海外進出においてリスクを最小限に抑えるためには、確実にグローバル拠点からのデータ収集を行い、タイムリーに経営状況・リスクの分析をすることが不可欠です。multibookの経営ダッシュボード機能であるManagement Cockpitを活用し、適切なリスク管理や経営資源の配分を行うことで海外事業の成功が近づいてきます。

マルチブックとManagement Cockpitで海外展開をサポート

マルチブックのクラウド型ERPとManagement Cockpitを活用すれば、海外事業への挑戦をより早く、より効率的に始めることができます。企業の大きさに関係なく、あらゆる企業がERPを活用して、データに基づいた意思決定ができるようにサポートします。海外展開を加速させるために、これらのツールをうまく活用し、ビジネス変革を実現しましょう。

Management Cockpitの詳細はこちらのブログから!


今後も、海外事業展開を支援するマルチブックとManagement Cockpitに関する情報やノウハウを発信していきます。どうぞお楽しみに!

  

この記事を書いた人

渡部 学

日系半導体商社にて経理、IT、シェアードサービス、海外業務統括、総務の責任者を経て、香港現地のM&Aに伴う買収先のPMIに従事。その後アジアパシフィック全域の財務統括を担う。帰国後は外資系医療機器製造業の日本法人におけるCFOとしてグローバル企業のリーダー職に従事。2019年株式会社マルチブックにCFOとして参画しM&Aによる資金調達をリード。2021年CEO就任。

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