外資系企業の日本法人会計業務にmultibookを導入し、業務工数を50%削減。期待は、業務改善と新規ビジネス獲得。圧倒的なコストパフォーマンスも評価

[写真左より]
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル 執行役員 営業本部長 市川 紘也氏、アウトソーシング部 増子 直樹氏、同部 三浦 綾華氏、同部 大屋 卓司氏、同部 柴田 佳祐氏
会計アウトソーシングのパイオニア、株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナルは、日系企業・外資系国内企業の幅広い企業の会計業務を担っています。従来、外資系企業の日本法人の会計アウトソーシングを行う際、使用する会計システムにお客様の指定がないケースでは国産製品を利用してきました。しかし、通貨換算や海外本社向けの英文レポーティングをExcelなど手作業で処理しなければならず、作業が煩雑で、計算ミスのリスクも内在していました。そうした中、multibookの存在を知り、わかりやすい画面、多言語・多通貨対応、豊富な機能に対する圧倒的なコストパフォーマンスを高く評価して採用を決定。導入により経理実務が半分以下の工数で行えるようになり、顧客へ提供できるサービスメニューも大きく広がりました。
導入前の課題
- 外資系企業の日本法人向けの会計アウトソーシングで利用していた国産会計システムは、自動で通貨換算ができずExcelなどを使った手作業が発生していた。作業が煩雑で、ミスが起きるリスクも内在していた。
- 海外本社向けの英語の報告書も会計システムの外部で作成しなければならなかった。
- もともと使用していた国産の会計システムはカバー範囲が財務会計のみであり、管理会計や資金管理などは行えなかった。
multibookを選んだ理由
- 国内外の会計システムの長所を集めて作った印象で、画面が非常にわかりやすかった。
- ERPの概念をくつがえすほど、コストパフォーマンスが高かった。
- 充実した機能により、導入による業務改善だけでなく新規ビジネス獲得が期待できた。
導入後の効果
- 経理実務の作業時間が50%以上削減できた。
- 画面がわかりやすくマニュアルも充実しているため、新人でも先輩に頼らず操作を習得しやすい。
- 充実した機能で、顧客へ提供できるサービスメニューが広がった。
オンサイト経理実務を強みとする会計アウトソーシング企業
――貴社の事業内容を伺いたく存じます。

市川 紘也氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル 執行役員 営業本部長
市川:サンライズ・アカウンティング・インターナショナルは、会計のアウトソーシングを行う会社です。企業の方々にコア業務へ経営資源を集中していただき、そうすることでより一層競争力と経営の質を高めていただきたい、との思いから1996年に創業しました。当時、会計を専門に担う企業はほとんどなく、当社はパイオニア的存在といえます。これまで200社近くのお客様と取引実績がありますが、約9割のお客様でオンサイト、つまりお客様拠点で経理実務を行っているという点、そして英文会計に強い人材が多いため、外資系企業のお客様が多い点が最大の強みになっています。経理実務はイレギュラーなことがレギュラーに起こる仕事であり、そのようなとき、すぐそばにいれば、フェイス・トゥ・フェイスで会話でき、齟齬なく早く解決できます。加えて、アウトソーシングの際はお客様の会計システムを使って業務を行うことが多いことから、当社には多様な会計システムの経験を持つスタッフがそろっており、どのようなご要望にも応じられるのも大きな特長です。
会計システムの長所を集めたようなmultibookと圧倒的低コストに“一目惚れ”
―― 今回、multibookをご採用いただきましたが、これはどのような背景によるものだったのでしょうか。
市川:当社は、外資系企業から日本法人の会計業務を任されることも多く、その際に企業指定の会計ソフトを使う場合もあれば、使用する会計システムはこちらに一任いただく場合もあります。これまで、一任いただく場合は国産の会計システムを利用していたのですが、通貨換算に関しては、会計ソフトにその機能がないため、Excelなどを用いてシステム外で処理をしていました。たとえば、ある経費を計上するとき、レートいくらで換算するのかをExcelなどで計算して、また、いつのレートを適用したといったことを書きこむ必要があったため、非常に手間がかかっていました。また、海外本社から英文レポーティングが求められる場合もあり、そのときは国産の会計ソフトの外で勘定を組み替えたり英文翻訳をしてこちらで作成する必要がありました。煩雑であっただけでなく、計算ミスなどのリスクも内在していました。
そうした中で、multibookの役員やグループ会社である太陽グラントソントン・アドバイザーズとのつながりから、multibookのデモを見る機会がありました。これまで20を超える国内外の会計システムを見てきましたが、このサービスはそれらの長所をピックアップして作られていて、非常に使いやすくできていると思いました。multibookを使えば、業務改善によって工数削減が実現でき、生まれた時間でさらに日常業務を効率化できると考えたのです。また、私自身が新しいもの好きで、新しいシステムに触れてみたかったというのもあり、現在使用している国産システムから切り替えようと考えました。よい製品でも価格が高ければ導入できませんが、同等の機能を持ったシステムより圧倒的にコストパフォーマンスが高かったという点にも、背中を押されました。
―― 2023年の秋ごろからの移行プロジェクトはどのように進められましたか。

柴田 佳祐氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 フィールドマネージャー
柴田:今回行ったのは、3社分のデータ移行です。1社目はmultibookのカスタマーサポートに伴走してもらい、2社目、3社目は、私と増子の二人で担当しました。multibookのカスタマーサポートは、いつなんどき質問しても対応してくれ、ほんとうに助かりました。また、サービス導入も、会計残高の移行も、すべてExcelベースで行えたため、もともとExcelが得意な私としては、簡単に移行できました。具体的に、要件定義はマルチブック社が用意したExcelの要件定義書に入力するだけでデモ環境を作ってもらえましたし、移行自体も、国産システムからデータをExcelにダウンロードして、それをフォーマット加工してmultibookにアップロードするだけだったので、とてもわかりやすかったです。私はSAPの利用経験が一番長いのですが、multibookはSAPと親和性が高く、理解がスムーズに進みました。
経理実務の作業時間が半分以下に。顧客へのサービスメニュー拡大効果も
―― 現在の活用状況はいかがでしょうか。

増子 直樹氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 マネージャー
増子:1社目に関してはすでに利用を開始しており、2社、3社目が移行の最終盤に入りました。2024年9月ごろには本番展開を予定しています。これらのお客様は会計ソフトを当社に一任いただいているため、会計ソフトが変わったこと、変わることを認識しておられないかもしれません。
―― 現時点で、貴社ではどのような導入効果を実感されていますか。
市川:外資系企業の日本法人に関する経理実務の工数は、半分以下になったと思います。通貨換算ではこれまでいろいろ作業が必要でしたが、今はmultibookに100ユーロなら100ユーロと入力すればそれで終わり、あとはmultibookの中で換算できるのでOK、というのは非常に大きいです。
増子:multibookはわかりやすいのがいいですね。正直、市川から会計システムを変えるといわれたときは、「大変なことになったな」と思いました。いろいろな会計システムの経験を持つ私たちですが、それでもシステムを変えるというのは相応の労力がかかるからです。しかし、導入を進めるうちに、これだけわかりやすいシステムなら、新人でもたやすく習得できるなと思うようになりました。会計システムというのはそれぞれクセがあるので、一人前になるまでは、先輩にあれこれわからない点を質問しがちです。これは、先輩にとっては自分の工数を奪われることになります。新人自身も質問することにストレスを感じるので、multibookならマニュアルも分かりやすく、直感的に一人で学べて、早く操作を覚えられるということに、大きな期待を寄せています。
もう一つ重要なのが、multibookが多機能であるため、お客様にお勧めできるメニューが増えるという点です。これまで使用していた国産会計システムは財務会計機能のみを持っていたため、我々が提供できるサービスも財務会計の領域に限っていました。multibookは管理会計や資金管理他、多くの機能を備えているため、これからは、お客様から「管理会計や資金管理も一緒に行いたい」と言われても、難なくお引き受けすることができます。セールスアプローチが広がっていくことをうれしく思っています。

大屋 卓司氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 マネージャー
大屋:画面を見るだけで、ストレスなく仕事を行えるのがmultibookのいいところです。新しい会計システムを使い始めるときは、我々や社内のエンジニアが何時間も研修するのが常でしたが、このサービスはそういう必要がありません。結果的に、切り替えのコストを低く抑えられるサービスだなと思いました。
三浦:これまでSAPを使ってきたので、似たところのあるmultibookはわかりやすいです。マニュアルもきめ細かく整備されていて、わからなければマニュアルを見ればほとんど解決する点も気に入っています。

三浦 綾華氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部
―― ありがとうございます。今後の展望を伺わせてください。
市川:今後、新規の外資系企業のお客様には、第一にmultibookを勧めたいと考えています。会計システムの選定を一任いただけるお客様はもちろんですが、「会計システムは指定したいが、開設したばかりの法人にそこまでの予算は…」と悩まれているお客様にも、このサービスは最適です。必要な機能はきちんと網羅されていますし、何より、ERPの概念がひっくり返ってしまうほどコストパフォーマンスが高いので、どのような企業にもお勧めできます。しかも、私たちはしっかり業務改善を図ることができます。

将来的には、日本企業の在外子会社のお客様にもmultibookでアプローチしたいですね。コンプライアンス遵守の観点から、在外子会社の経理実務を強化したいというお話はよく伺っており、そこに対して、勤勉で業務を緻密かつ正確に処理できる日本人ならではの特性を生かして、お客様をご支援できるのではないか。必要ならば、経理実務だけでなく、サービスの導入からサポートできるという体制が取れれば、日本企業の皆様の不安解消につながっていくのではないかと考えています。
multibookとコラボレーションすることで、外資系企業の日本法人だけでなく、日系企業の在外子会社の経理業務もサポートできればと考えてます。
[取材に対応いただいた方々]
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル 執行役員 営業本部長 市川 紘也氏
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 マネージャー 大屋 卓司氏
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 マネージャー 増子 直樹氏
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 フィールドマネージャー 柴田 佳祐氏
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 三浦 綾華氏
[取材]
吉田 育代
[フォトグラファー]
矢野 拓実