住友重機械イオンテクノロジー株式会社

月次決算〜役員向け報告にかかる日数を15営業日短縮!
multibook導入により海外4拠点の業績一元管理、見える化を実現し、Excelでの煩雑な管理から脱却

[写真右]住友重機械イオンテクノロジー株式会社 企画管理部 管理グループ グループリーダー 上田 桂子氏
[写真左]住友重機械イオンテクノロジー株式会社 企画管理部 管理グループ 湯 皎伶氏

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半導体製造に欠かせない「イオン注入装置」の日本のトップメーカーである住友重機械イオンテクノロジー株式会社は、台湾、中国、韓国、米国に現地法人を展開しています。従来、委託先の会計事務所よりExcelファイルで財務諸表のみ受領していたため、詳細な仕訳レベルでの分析に課題がありました。ある会計・財務のソリューションの展示会でmultibookの存在を知り、わかりやすいUI、シンプルな仕組み、リーズナブルな価格を高く評価して採用を決定。1拠点1~1.5カ月で次々導入を完了し、現在では海外4現地法人の業績を横並びで見られるようになっただけでなく、月次締めから経営層への報告リードタイムを15営業日も短縮しました。

導入前の課題

  • 海外現地法人の業績情報は、それぞれの委託先の会計事務所から受領するExcelの財務諸表のみ。フォーマット・言語はバラバラ、分析に必要な仕訳明細情報が入手できなかった。
  • 役員から過去データについて問合せ・分析依頼を受けた際は、Excelファイルからデータを抜き出して加工する必要があった。
  • 各海外現地法人の財務諸表が送られてくるのは翌月末であるため、経営層に報告できるのはさらにその翌月までかかっていた。

multibookを選んだ理由

  • UI(※)が非常に使いやすく、親しみやすい設計だった。
  • シンプルな仕組みで、導入や運用も容易そうだと直感できた。
  • 海外現地法人すべてに導入した場合でもコストパフォーマンスに優れていた。

導入後の効果

  • 締め後2週間で海外子会社の決算データを把握できるようになり、経営層への報告リードタイムが15営業日も短縮した。
  • 海外4現地法人の業績を一元管理できるようになった。
  • 仕訳の検索・照会、残高からのドリルダウンも可能になり、必要な時に加工の手間なく調査や分析が可能になった。

(※)UI:ユーザーインターフェース(User Interface)。Webサイトやアプリケーションなどの見た目や使いやすさのこと。

半導体製造に欠かせない「イオン注入装置」の日本のトップメーカー

―― 貴社の事業内容を伺いたく存じます。

上田:住友重機械イオンテクノロジーは、「イオン注入装置」の製造会社です。これは半導体デバイスを作るのに欠かせないもので、半導体の素材となるシリコンウェハにイオンを打ち込み、半導体としての電気的特性を作り込む役割を果たします。「イオンビーム」を操る技術を武器に半導体製造を通じて社会の未来に貢献する、というのが当社のビジョンです。イオン注入装置にも種類があり、高エネルギー・中電流・高電流という3種類を製造しているのは日本で当社だけです。現在、台湾、中国、韓国、米国の4拠点に現地法人があります。

海外現地法人の詳細な仕訳情報が取得不能で一元管理に課題

―― multibook導入前は、海外現地法人の会計管理にどのような課題があったのでしょうか。

上田:4拠点とも会計業務は現地の会計事務所に委託しており、毎月Excelファイルで財務諸表を送ってもらっていました。各国それぞれ別のフォーマットで、それぞれの言語で書き方も違っており、詳細な仕訳データというのは取得できませんでした。そのため、たとえば科目の定義なども各国で違っており、海外現地法人の売上を一元的に管理する、報告された数字の確からしさを検証するといったことが非常に難しかったのです。

また、毎月財務諸表がExcelファイルで蓄積されていく形なので、過去月について、何か調査や分析が必要なときは、膨大なデータから必要なデータを抜き出して手作業で加工する必要がありました。

データの取得という点でも、海外拠点が月次で締めた情報がその翌月中に日本に何とか届くというスピードだったので、そのさらに翌月にならないと本社経営層への報告ができないような状況でした。

―― どのようにmultibookを知っていただいたのでしょうか。

上田:2022年5月の会計・財務のソリューションが多数集まる展示会に行った際に偶然見つけました。multibookのブースに立ち寄り、そのコンセプトを見て、「これはうちで使えるんじゃないか」という直感がピピッと働き、すぐその場でサービス説明とデモンストレーションを受けました。

まず、UI。非常に使いやすく、親しみやすい設計になっていました。また、すごくシンプルな仕組みだなと感じました。そして、シンプルであるがゆえに導入や運用も容易そうだというのが一番惹かれたところです。

実はmultibookのような仕組みの他のシステムも少し調査してみました。しかし、今挙げたポイントと、各海外現地法人の業績を一つのプラットフォームに寄せて一元管理できるシステムであるということ、そしてコストパフォーマンスの高さが他にはない魅力でした。手頃な価格で、海外現地法人4社を管理できるのであれば、人ひとり雇うよりも安価に収まるのではないかと・・・。これが経営層へのアピールポイントにもなって、導入を決めることができました。

―― 2022年10月の最初の導入拠点に台湾を選択された理由と、導入の過程で苦労されたことがあれば教えてください。

湯:同時に4拠点の導入を行うのは負荷が高いということと、「習うより慣れろ」ということでまずは1拠点導入してみようということになりました。台湾から始めたのは、最も歴史のある重要な海外現地法人だったからです。取引量やデータのバリエーションも充実しているため、導入の基礎作りとして最初の拠点に最適だと考えました。着手した当初はそんなに苦労せずにすむだろうと思っていました。ところがふたを開けてみると、日本本社の仕訳の基準と照らし合わせた時に足りない仕訳情報や取引先情報があったりして、そのデータをどこから持ってきたらいいかがわかりませんでした。そこでマルチブックのカスタマーサポートに相談した結果、別のところで記録されているデータを活用するというアイデアを得ました。おかげで、1.5カ月という短期間で導入できて非常に助かりました。とても感謝しています。

上田:次に選んだのは上海です。台湾の次に歴史が古く、同じように重要で早く管理を始めたかったのがその理由です。こちらの導入は2023年2月にスタートしました。とにかくはやく海外拠点の一元管理を実現したかったので、台湾だけでしばらく運用して様子を見るという発想はありませんでした。この上海拠点は上海の支店とは別に北京にも支店があり、中国独自のルールによりそれぞれの支店で仕訳帳を持っています。その為、上海の子会社としては2つの帳簿を持つのですが、日本本社としては上海拠点1つとして管理したいという要件があり、2つの帳簿を統合することにしました。支店間の関係会社間取引の重複整理には苦労しましたが、その際もマルチブックのカスタマーサポートの方が、うまくデータを整理できるようにExcelマクロを作ってくれました。そのような形で作業は順調に進んで、やはりこちらも1.5カ月で導入完了しました。

湯:その後、2023年4月より海外現地法人として日が浅く、取引データ量も少ない韓国、米国2拠点を同時スタートして2カ月で導入しました。台湾の経験でどのようなデータが必要かわかったので、事前にいろいろ準備して進めることができました。

海外4法人の一元管理が実現、経営層報告も15営業日以上の時間短縮

―― 現在の活用状況はいかがでしょうか。

湯:各海外現地法人が委託している会計事務所に当月の仕訳情報を整理してもらい、それを日本本社へ送ってもらうと、そのままmultibookへ取り込んでいます。その結果を我々がマネジメントコックピット(海外拠点の業績管理強化、内部統制強化、経営意思決定に有用な国内・海外全ての拠点の情報をリアルタイムに提供するダッシュボード機能)を通して見るというスタイルになりました。よく見ているのは海外子会社4拠点の業績を横並びで比較できるダッシュボード(図1)です。毎月、海外子会社によるmultibookへの月次仕訳明細アップロードが完了したら、まずこの画面でその結果を確認するようにしています。その際、すべて日本円に換算して各拠点を比較しながら一元的に見ています。あとは関係会社取引残高のダッシュボードなども見ていますね。

(図1)海外拠点の業績を横並びで一目で把握できるManagement Cockpitの「業績」ダッシュボード

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―― 現時点でどのような導入効果を実感されていますか。

湯:一元管理が実現して、各海外現地法人のデータが横並びで見られるようになったことは大きな効果です。いちばんの驚きは、上海の売上高の伸びです。Excelファイルによって個々の通貨で見ていたときには気づけなかったのですが、日本円で比較してみて「台湾を抜いた!」と思って目が丸くなりました。multibookは機能が豊富で、以前は苦労していたExcelによる手作業を挟まずとも、財務諸表を自分なりに見たい切り口でカスタマイズすることも可能なので、今後使いこなしていきたいですね。

上田:私が考える最大の効果は、海外子会社の月次業績を早く経営層に報告ができるようになったことです。現在は月次締め後、2週間ぐらいで本社でmultibookへのデータ取込みできるようになり、完了すればその時点ですぐ報告できる環境が整います。翌々月にならないと報告できなかった以前に比べると、15営業日もリードタイムを短縮することができました。

日本本社 海外拠点管理担当者が感じるmultibook導入による業務改善点。1.Excelによる各拠点の財務データ加工作業を大幅に削減。2.各拠点の最新財務情報をいち早く把握できるように。3.経営報告資料の作成もあっという間。

また、過去の業績について「あの数字はどうだったかな」と経営層から尋ねられる機会が多々あるのですが、multibookを導入した今はデータを探し出して、Excelで加工せずにすぐに見せられるのでとても助かります。現在のところ使い勝手や機能に減点要素はなく、大変満足しています。

今はまだ過去データの蓄積がない状態ですが、今後データが溜まってくると過去のトレンドや、前年対比の情報を経営判断に活かすこともできるようになるのではと思っています。

―― ありがとうございます。最後に、今後の展望を伺わせてください。

湯:直近の目標としては、財務表をカスタマイズして見たい情報が見れるレポートを作成できるようになればと思っています。正式に連結しているのは台湾の子会社だけですが、SMITグループとして独自の連結レポートを作成し、2023年度の実績をSMITグループとして整理したいと思っています。

上田:今後、海外現地法人の責任者に対して、一部のデータを開示することを検討しています。そうなると、「ここの支出はどうなんだろう」と現地のマネージャーが自ら検討することも出てきて、multibookを活用して現地法人の経営改善を行う日が来るかもしれません。そうなってもmultibookであれば十分使いこなしていけるだろうと考えています。

multibookは使いやすく高機能なので、当初は日本の子会社にもどうかという話があったのです。ただあまりにデータの量が多く、導入負荷が増大するため、海外現地法人に絞ったという経緯がありました。こちらについては今も引き続き検討しています。

また、multibookには会計やロジスティクスの機能もあるので、こういったところを国内・海外の子会社で活用できたら、さらにコストメリットを出していけるのではないかと考えています。海外現地法人に関しては現在経理業務を外部委託しているのですが、将来的には内製化するタイミングがやってくると思っています。そのタイミングで現地法人の会計システムとしてmultibookを導入できれば、内部統制の観点でも強化しながら、日本側との連携もよりスムーズになるのではと思っています。

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[取材に対応いただいた方々]

住友重機械イオンテクノロジー株式会社 企画管理部 管理グループ グループリーダー 上田 桂子氏
住友重機械イオンテクノロジー株式会社 企画管理部 管理グループ 湯 皎伶氏

[取材・文]

吉田 育代

お客様概要

  • 会社名

    住友重機械イオンテクノロジー株式会社

  • 事業内容

    イオン注入装置の開発、製造、販売及びサービス

  • URL https://shi-ion.jp/

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