「現場から見る新リース会計基準 課題とIFRS16号対応システム導入事例」

新リース会計基準

記事更新日:2025/02/10

「現場から見る新リース会計基準 課題とIFRS16号対応システム導入事例」

新リース会計基準の強制適用が2年後に迫る中、どのように対応を進めるべきか悩まれている経理担当者も多いのではないでしょうか。

当社では、リースソリューションの提供を強化しており、現場では社員たちが一丸となって活動を強化しています。本記事では、マルチブックでお客様対応を行うフィールドセールスの井関さんとプリセールスの小川さんにインタビューを行い、現場での課題やお客様の声、そして成功事例について伺いました。

第2回「現場から見る新リース会計基準 課題とIFRS16号対応システム導入事例」

Q. 井関さん、小川さんのそれぞれの担当業務について教えてください。

井関さん(以下、井関):私は主にフィールドセールスとしてマルチブックの紹介やお客様の状況をヒアリングし、最適なソリューションを提案する活動をおこなっています 。お客様の状況や課題感など、ヒアリングした内容をプリセールスの小川さんに共有し、具体的な提案を一緒に進めていきます。お客様の声を丁寧に聞きながら、どのようにマルチブックが役立てるかを考えています。

小川さん(以下、小川):私はプリセールスとして井関さんとともにお客様との打ち合わせに参加し、製品デモの実施や質疑応答、具体的なソリューションのご提案を行っています。お客様が抱える課題に対して、マルチブックがどのように解決するのか提案することが私の主な役割です。

リースの問い合わせ状況について

Q. 新リース会計基準対応やIFRS16号に関して、最近のお問い合わせ状況はいかがでしょうか?

井関:リース関連の問い合わせは、体感として昨年に比べて5倍以上に増えている印象です。「何から始めるべきか」というご相談から、「マルチブックでは何ができるのか」という具体的な質問など、幅広くお問い合わせをいただきます。

小川:IFRS対応企業の中には、Excelでの対応に限界を感じているお客様も少なくありません。「目の前の課題をどう解決すればよいか」という切実な声が多いですね。一方で、新リース会計基準については、情報収集段階のお客様が多く、「まず何をすればよいのか」「適用準備の優先順位は?」といった初期段階の質問が寄せられています。

現場の課題と提案

Q. お客様が新リース会計基準に対応する際、最も大きな課題は何だと思いますか?

井関:「Excelで対応できるのでは?」と考えるお客様もいますが、実際に運用すると膨大な手間がかかってしまうことが課題だと思います。特に新リース会計基準のような複雑な基準の場合、最初からシステムを導入した方が中長期的に見て効率的だと思います。

小川:現在Excelで管理されているお客様にとっても、新リース会計基準適用により、管理の煩雑さは大幅に増加すると考えられます。基準改正により、オンバランスすべき資産数が大幅に増加し、付随して条件変更時や更新時などの処理も随時、必要となります。これまでエクセルで経理部の方が直接管理していたような企業でも、システム化はもはや必須だと感じています。

Q. マルチブックのソリューションは、こうした課題解決にどのように役立つのでしょうか?

井関:「multibook」はスモールスタートが可能なサービスで、システム化が始めやすいというのが大きな特徴だと思います。また、リースだけでなく会計など他の機能も十分にあるので、お客様によって必要なモジュールを使い分けることができます。それぞれの機能を連携させることによって一括管理ができ、データの出力や内部統制の強化、業務効率化にも寄与します。また、日本本社が連結決算でIFRS(IFRS16号/新リース会計基準)を適用、そして海外拠点を保有されているお客様にも、言語や通貨対応の面で強みがあります。

Q. お客様への提案時に特に工夫していることはありますか?

井関:リース管理の仕組みは、実際に見ていただいた方がその効果を理解してもらいやすいです。なのでデモを通じて、Excelとの違いや作業効率の向上を体感していただくことを重視しています。

小川:お客様にトライアルを提供し、実際にシステムを操作してもらうことで、導入後のイメージを具体的に持ってもらいます。リースに関しては、実践的に試していただくことが最善の方法だと考えています。

Q. 実際の導入事例を教えてください。

井関:総合物流サービス企業 鴻池運輸株式会社の5拠点でIFRS16号リース資産管理モジュールを導入をいただきました。IFRS16号連結修正仕訳の自動作成実現により、四半期ごとの締め期間に3人がかりで10時間以上かかっていたExcelでの手作業が不要になったというお声をいただいています。さらにExcel管理から脱却し、プロセスを標準化したことでミスや属人化も解消した・リース管理業務をシステム化・標準化したことで、現地拠点の作業負担も軽減されたことも成果としてお聞きしています。

>>>鴻池運輸株式会社様の詳しい導入事例はこちらから

Q. お客様はどのようなメリットを感じていますか?

井関:属人化の解消や人的ミスの削減はもちろん、監査対応がスムーズになったという声も多いです。また、リース資産の管理が一元化されることで、経営判断の迅速化にもつながっています。

今後の展望

Q. 今後、フィールドセールス/プリセールスとしてどのようにお客様に価値を提供していきたいですか?

井関:お客様の状況に応じて、最適な対応方法を提案していきたいです。リース契約件数や既存資産の状況など、お客様によって最適なソリューションは異なります。それぞれ丁寧にヒアリングし、それに基づいたシステム提案を行うことで、よりお客様にとって効果的な解決策をご提案していきたいと考えています。

小川:新リース会計基準は多くのお客様にとって初めての経験です。私たちフィールドセールスやプリセールスがガイド役となり、IFRS16号での経験から、新リース会計基準適用後もEXCELで管理されることによって発生する課題について共有させて頂くなど、安心感のある提案を行うことが重要だと思います。これまでのIFRS対応の経験を活かし、新リース会計基準についてもお客様の課題解決をサポートしていきます。

井関 亨(いせき とおる)

大手SIerにて大企業向け担当営業として幅広いソリューション提案活動に従事。multibookの「海外×会計×IT」の市場に魅力を感じ、2022年、株式会社マルチブックへ入社。クラウド型会計・ERPサービス「multibook」のフィールドセールスを担当。

小川 塁(おがわ るい) 

大手ERPベンダーにて大企業向けの資金管理システム開発に従事。multibookのソリューション、市場性に魅力を感じ、2022年、株式会社マルチブックへ入社。クラウド型会計・ERP サービス「multibook」のプリセールスを担当

この記事を書いた人

マルチブック編集部

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