グローバルERP:multibookのインデックス分析で海外財務・経理の透明性を高め、不正を未然に防ぐ

インデックス分析

記事更新日:2024/04/11

グローバルERP:multibookのインデックス分析で海外財務・経理の透明性を高め、不正を未然に防ぐ

企業経営において、海外子会社の財務管理は非常に重要な課題となっています。経営陣が子会社の財務状況を適切に把握し、透明性を確保することは、健全な経営を実現するために不可欠です。特に、不正行為の未然防止は喫緊の課題であり、的確な財務分析によってこれに取り組む必要があります。

そこで注目してほしいのが、multibookが提供するインデックス分析機能です。この機能は、複雑な財務データを分かりやすく可視化し、経営陣の迅速な意思決定を支援するとともに、不正検知にも大きな威力を発揮します。本稿では、インデックス分析の基本から、multibookでの具体的な活用方法、そして分析結果の解釈や活用シーンについて詳しく解説します。

海外子会社の財務・経理の透明性を高めるグローバルERP『multibook』とは?>>

インデックス分析の基本

インデックス分析とは、企業の財務諸表の数値を、適切な基準値と比較することで、その企業の財務状態や経営状況の変化を明らかにする手法です。具体的には、ある基準時点の数値を100として指数化し、他の時点の数値との比率を示すのが特徴です。

この手法の利点は以下の通りです。

  1. 財務数値の変化を明確に捉える: 単純な金額比較ではなく、指数化することで、企業の成長度合いや効率性の変化を直観的に理解できます。
  2. 不正や問題点の早期発見: 異常な指数変動は、不正行為や経営上の問題を示唆している可能性があるため、早期に察知し対策を打つことができます。
  3. 経営判断の質の向上: 財務データの変化を的確に捉えることで、経営陣は適切な意思決定を下すことができます。

たとえば、ある企業の6月が売上や経費の構造が最適な月だと考えられている場合、6月の数値を100として指数化すれば、他の月との比較が容易になります。売上や利益が6月に比べて大きく変動している月があれば、その原因を分析することで、経営上の課題を発見できる可能性があります。

ACGL840「インデックス分析」が該当機能
2023/01を基準としたインデックス表示例

multibookインデックス分析機能

multibookのインデックス分析機能は、この財務分析の手法を最大限に活用できるよう設計されています。主な特徴は以下の通りです。

  1. PL・BS一覧表示: 損益計算書(PL)とバランスシート(BS)の両方を一つのExcelシートに表示することで、財務データの俯瞰が容易になります。
  2. 指数表示の実装: 通常の金額表示に加えて、指数表示も可能です。月次、四半期、年度単位での推移を一目で確認できます。
  3. 重要経営指標の表示: 手元流動性比率や借入金月商比率といった主要な経営指標を自動で算出・表示することで、企業の財務健全性を把握できます。

この機能により、multibookユーザーは、財務データの変化を迅速に捉え、適切な意思決定を下すことができます。特に、売上が伸びていないにもかかわらず特定の費用が急増している場合など、指数の異常な変動から不正の兆候を早期に発見できるのが大きなメリットです。

主要経営指標のインデックス表示例1
主要経営指標のインデックス表示例2

基本操作とレポートの見方

multibookのインデックス分析を活用するには、事前に財務データの表示設定を行う必要があります。具体的には、PLやBSの勘定科目の表示順序、経営指標の選択など、分析のための基本設定を行います。これらの設定は「検索条件」として保存でき、分析時に呼び出して使用することができます。

分析時は、事前に保存した検索条件を選択し、分析対象の期間を指定するだけで、簡単にレポートを出力できます。出力されたレポートでは、PLやBSの各勘定科目の金額と指数が一覧で表示されます。

指数は「実績÷基準値×100」の式で算出され、小数点第三位を四捨五入して表示されます。100を超える場合は基準値を上回る成長を、100未満の場合は逆の状況を示しています。これらの指数の推移を確認することで、企業の財務健全性を定量的に評価できます。

インデックス表示にすることで変化を容易につかめる

万一、指数の変動に異常が認められた場合は、その原因を詳しく分析する必要があります。売上が伸びていないにもかかわらず特定の費用が急増しているといった具合です。こうした異常値の発見は、不正行為の早期発見につながる可能性があり、大変重要な意味を持ちます。

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実践的な活用シーン

multibookのインデックス分析機能は、企業経営における様々な局面で活用できます。代表的な活用シーンは以下の通りです。

  1. 成長分析: 売上や利益の成長率の推移を把握し、経営戦略の立案に活用できます。
  2. 効率性の分析: 資産回転率やキャッシュ・コンバージョン・サイクルなどの指標を分析し、企業の資源活用の効率性を評価できます。
  3. リスク評価: 借入金月商比率や有利子負債比率などから、企業の財務リスクのレベルを把握できます。
  4. 不正対策: 各指標の組み合わせから、企業の通常の活動パターンと異なる兆候を捉え、不正行為の早期発見につなげられます。

特に、売上と費用の変動に乖離が見られる場合など、インデックス分析によってそうした異常を検知できるのが大きな強みです。不正を未然に防ぐとともに、企業の財務健全性を確保することができます。

たとえば、売上が伸びていないにもかかわらず、広告宣伝費や接待交際費などの特定の経費が異常に増加しているようであれば、インデックス分析によってその違和感を数値化して捉えることができます。この情報は、内部監査担当者がさらに詳細な調査を行う際の出発点となり得ます。

まとめ

multibookのインデックス分析機能は、企業経営における財務管理の高度化を実現するための強力なツールといえます。PLとBSの一覧表示、指数による推移把握、重要経営指標の自動算出など、使い勝手の良いデザインが特徴です。

この機能を活用することで、企業は財務の透明性を高め、不正や経営上の問題点を早期に発見し、適切な対策を講じることができます。さらに、的確な経営判断を下すための基盤を構築することも可能です。

ビジネス環境が急速に変化する今日、企業の競争力の源泉の1つが財務の健全性にあると言えます。multibookのインデックス分析機能は、企業がこの課題に取り組むための強力なサポートツールとなるでしょう。ぜひ、貴社の財務管理を次のステージへと引き上げるため、multibookの活用を検討されることをおすすめします。

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この記事を書いた人

渡部 学

日系半導体商社にて経理、IT、シェアードサービス、海外業務統括、総務の責任者を経て、香港現地のM&Aに伴う買収先のPMIに従事。その後アジアパシフィック全域の財務統括を担う。帰国後は外資系医療機器製造業の日本法人におけるCFOとしてグローバル企業のリーダー職に従事。2019年株式会社マルチブックにCFOとして参画しM&Aによる資金調達をリード。2021年CEO就任。

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