海外拠点統括の在り方について

社長ブログ

記事更新日:2021/04/02

海外拠点統括の在り方について

海外複数拠点の会計情報を管理する際のハードル

 海外拠点を管理する際のハードルは、世界で同時に進む物事の進行を各拠点で確認・共有していくためのルール設定が必要だということです。大企業ではこれが当たり前かもしれませんが、海外に出たばかりの当社や、複数の海外拠点に活動の場を急速に広げていく事業においては、統括するための基盤づくりから行っていかなければなりません。単に帳簿を集めるだけでは海外拠点の管理におけるスタート地点に立ったにすぎず、過去情報である財務諸表の変化に気を配りながらも、各拠点のビジネスを理解してその変化を数字で予測し議論対応していく共通のモノサシができて初めて「拠点管理」となります。

国を超えた拠点統括を行う上で大切にすること

コミュニケーションです。特に現地のトップマネジメントだけではなくその国の担当者とのコミュニケーションを本社や自分の組織が行えていることを重要視しています。私は、内部統制は結局はビジネスコミュニケーションの1つだと考えています。内部統制の強化というと非常に厳しいとか難しいとか思われがちですが、海外に進出する際には文化も常識も異なりますので事業を数字で把握しつつ、同じ尺度で現地と常に連絡を取り合えること、そしていつでも連絡がとれるホットラインの構築をしておくというのはとても大事なことだと思います。

 特にこのコミュニケーションにおいては、データを用いることを常としていくことが重要だと考えています。日系企業と外資系企業の両方に勤めてみて実感するのは、海外の企業に比べると、日系企業はデータドリブンなコミュニケーションが不十分だということです。正確で透明性のある判断をするために、適切なデータに基づいて社内でコミュニケーションをとっていく必要があるのではないでしょうか。

キーワードは3つ

 「Transparent(透明性)」「Accuracy(正確さ)」「Integrity(誠実さ)」は私自身がビジネスマンとして、特に財務経理や人事を管理する者としても、大切にしていることです。正確なデータに基づいて透明性のある判断を行うこと、そして網の目をくぐるようなことはせず、正攻法で行動するようにしています。

海外拠点を持つ企業の方々に向けて

 これまで、海外拠点を管理するシステム、特に2拠点以上への導入が可能となるシステムは、導入コスト・利用料・保守費用を合わせると何千万何億円とするものがほとんどでした。あるいはお手軽なものとなると、単一国だけであったり、英語だけの利用であったりと使い勝手がいまひとつとなっていました。以前のように大企業だけが海外進出する時代ではなく、現代は中小企業も海外進出を当たり前に行う時代です。それほど高額だと、システム導入のハードルが高くなり海外展開で必要なデータ収集が難しくなります。多くの会社が未だに、海外拠点、特に中小やスタートアップ拠点には、十分なシステムを導入せずに「見えないまま」の経営を続けているように思います。私達は、multibookという製品を世の中に提供するにあたって、海外進出をする日本企業が企業の規模に関わらず、海外展開と同時にデータドリブンな経営をより身近に簡単に始めてもらえるように、このサービスを拡げていきたいと考えています。

この記事を書いた人

渡部 学

日系半導体商社にて経理、IT、シェアードサービス、海外業務統括、総務の責任者を経て、香港現地のM&Aに伴う買収先のPMIに従事。その後アジアパシフィック全域の財務統括を担う。帰国後は外資系医療機器製造業の日本法人におけるCFOとしてグローバル企業のリーダー職に従事。2019年株式会社マルチブックにCFOとして参画しM&Aによる資金調達をリード。2021年CEO就任。

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