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日本食レストラン4000店超え!コロナ禍でも伸び続けたタイの日本食市場

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記事更新日:2021/02/02

日本食レストラン4000店超え!コロナ禍でも伸び続けたタイの日本食市場

こんにちは。マルチブック編集部です。

日本の「食」は海外で誇れるものの1つだと思っています。私はオランダの大学に留学をしていたのですが、現地の友人からも日本食は結構人気で、オランダでも日本食レストランが幾つかあったり大規模な日本食イベントが開かれたりもしていました!日本人の私からすると、とても嬉しかったです😊

下の写真は、オランダで行われた日本フェスティバルに訪れた時の写真です!寿司やおでん、たこ焼き等の日本食屋台が多く出店していたり、舞台上で太鼓のパフォーマンス等も行われていたりしていました!都市から離れた割と辺鄙な場所で開催されていたにも関わらず、結構な人でにぎわっていて、ほぼ全ての日本食屋台で行列ができていました!

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 日本食が海外でも高く評価され、世界中でプレゼンスを高める中、特に日本食ブームが顕著で日系飲食店の進出先として人気を集めているのが、タイです。日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所による「2020年度タイ国日本食レストラン調査」(2020年12月15日)では、タイにおける日本食レストラン数は前年比12.6%増の4094店舗となったと発表されました。また、前年と異なり、2020年はタイのすべての県で日本食レストランの営業を確認できたそうです。

今回は、タイに進出する日系飲食店を取り巻くトレンドや日系飲食店が海外で成功するために大切なことなどについて考察していきたいと思います!

タイで人気な日本食って?

ジェトロの調査をもとにタイで店舗数が増加傾向にあり、注目度が高いと考えられる日本食をいくつか挙げてみました!

1.寿司

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日本といったらよくイメージされがちな寿司は、前年比より50.9%と大幅に伸び、2020年の店舗数は数ある業種の中では最多となりました。これは、フランチャイズ展開(※)の拡大が背景にあるといわれています。コロナ禍で解雇され、補償金などを元手にフランチャイズ・ビジネスを行いたいという従業員が増えたといいます。

(※)フランチャイズ
加盟店(フランチャイジー)が会社本部(フランチャイザー)に加盟金を支払う代わりに、本部が加盟店に対して商標・商号の使用許可や商品・サービスの販売権を与える事業形態。

2.料亭・総合和食

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2020年は、寿司に店舗数を越されてしまいましたが、前年まで最多の店舗数を誇っていました!日本でも人気な「大戸屋」は、タイでも多くの店舗を展開し、成功を収めているといえる日本食レストランチェーン店の代表例です!

3.カレーライス/オムライス

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2020年の店舗数は前年比51.7%と寿司より大幅の増加率を記録したのが、カレーライス/オムライスの日本食レストランです。店舗数自体は、寿司や総合和食、ラーメンなどの他の日本食レストランにはまだ劣っているものの、首都バンコクと地方ともに店舗数を大幅に伸ばしており、タイでも注目の日本食です!
「ココイチ」という通称で親しまれるカレーチェーンの「Coco壱番屋」はアジアを中心として海外展開を進めており、現地でのグローバルマーケティングにも成功し、タイでも大人気を誇ります!

なぜ日系飲食店はタイに出店するのか?

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1.日本食の消費拡大
 タイを含むASEANでは、高い経済成長率と人口増加がみられ、消費活動も促進されると予測されることから、商機を見据えた日系飲食店が多く出店しています!特に、既に多くの日本食が手に入れられつつあるタイでは、本格的な日本食を提供する高級感のある日本食レストランの商機が大きいでしょう。実際に、カレーで有名なココイチは、タイ人からしたら高めの価格設定によりブランドイメージを向上させたことがタイでの成功要因の1つともいわれています。
また、タイはアジアの他の国とのアクセスも良く、外国人も多く訪れます。タイ人だけでなくタイに来る外国人へのPRにもつながるかもしれません。

2.整ったインフラ
 タイには、日本人が多く住んでいることもあり、日本食材が大変豊富です。他国からの日本食材の調達地としても人気なタイでは、現地でも日本の食材の仕入れにおける心配は少ないといえるでしょう。また、近年ではICT環境も整いつつあり、ビジネスを行いやすい環境があります。

3.国民との親和性の高さ
 タイは、親日国としても有名ですね!日本人や日本文化が好きな方も多く、日本食レストランの進出に対しても寛容です。実際にタイ国内では日本食レストランが増加していることもあり、タイの方々も日本食に対して食わず嫌いというようなことはないでしょう。また、タイで飲食店を経営する際、ローカルスタッフとの不和が原因で人材マネジメントが難しいということも少ないのではないでしょうか。

タイでの出店を成功させるには?

タイでの日本食普及が進む一方で、タイ国内では日系飲食店の競争は激化しています。タイは比較的進出しやすい国と思われがちですが、実際はそう簡単なことではありません。海外で飲食店経営を成功させるには難がつきものです。

そこで、日本食レストランがタイでの出店に成功するためにはどのようなことが重要なのか考察してみました!

1.個性

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タイではジャンルを問わず日本食や日系飲食店が日常的に普及してきているからこそ、市場で生き残っていくためには、提供する食やサービスの高い質を保ったうえで競合と差別化できる個性を出していく必要があります。「普通の美味しい日本食」ではなく、料理の見た目が美しかったり店内に工夫が施されたりと店の独自性をどのように発揮していくのかが大切になってくるでしょう。

2.現地への正しい理解

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 「親日」と言われているタイですが、だからといって日本本位の経営を行うのはリスクが高いです。タイで出店する以上、タイ人の嗜好がどのようなものかは市場調査等を通してしっかり分析しましょう。
 また、タイでは飲食業に関して原則外国人事業法の規制対象になるため、現地で飲食店を出店する際、既に進出している日系企業のタイ現地法人やタイの現地法人などとパートナーとなるケースが一般的です。そのため、このパートナー選びの段階でも、タイにおける飲食店の経営ノウハウを持ったパートナーを選定することが鍵です。実際に、先程もご紹介したココイチのタイでの成功要因の一つとしても、タイ全土で大成功した和食チェーン店「FUJIレストラン」を展開しておりあらゆる情報やノウハウを持つ「フジ・グルメクリエーション社」とパートナーになったことが挙げられます。

3.適切な経営リソースの管理

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 店として良い質の料理やサービスを提供するためには、ローカルスタッフへの教育・管理にも注意を向ける必要があるでしょう。言語や文化、価値観が異なる以上、タイ現地のスタッフとも双方向のコミュニケーションを上手く取りながら一丸となって店をよりよいものにしていくことが好まれます。最近は、タイでも人件費が上昇している傾向にあるため、人材の育成やマネジメントは重要課題の1つです。
 また、金銭面の管理も大切です。進出に成功してもその先撤退せずに適切に運営していくために、現地での会計処理も丁寧に行いましょう。

以上、日系飲食店がタイに進出するうえで重要だと思う3点を挙げました!これら3点は、タイに限らず海外で飲食店経営を成功させるうえでも大切となるポイントだと思うので、海外進出に興味のある方にぜひ参考にしていただければと思います!

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この記事を書いた人

マルチブック編集部

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