TYPICA Holdings 株式会社 様

透明性が高い世界標準の会計基盤作りのためにmultibookを採用。急速な海外展開を進めるスタートアップ『TYPICA』がmultibookを選んだ理由とは

コーヒー生豆流通の透明化を目指し、コーヒー農家と自家焙煎コーヒー事業者(ロースター)によるダイレクトトレードを可能にする、世界初のオンラインプラットフォームを運営するTYPICA。コンテナ単位18tでの取引が基本とされていたコーヒー生豆のダイレクトトレードを麻袋一袋単位60kgから可能にし、小規模生産者でもコーヒーを簡単に出品でき、かつロースターが直接購入できる仕組みを実現。日本発、世界59ヵ国で事業を展開する注目のスタートアップです。

2021年3月に設立したオランダ拠点にグローバル会計管理システムを導入したいと、マルチブックにご依頼いただきました。今回は同社のバックオフィスを担当されている東様に、マルチブックの率直なご感想や、導入後の成果などについてうかがいました。

TYPICA Holdings 株式会社 Administrator 東 様

本記事のサマリー

・multibook導入の背景
 海外に複数拠点を抱えるスタートアップで、早急にグローバルで標準の会計システムを導入する必要があり、短期導入かつ、現地法要件に対応可能、更に導入前後の手厚いサポートと柔軟な対応を得意とするmultibook を採用。

・実感しているmultibook導入の成果
 個々の要望や疑問への丁寧な対応と柔軟性・機動力で既存業務を停滞させる事なく、スピーディーに稼働し、グローバル会計の基盤作りに成功。今後“自分たちのmultibook”を育て、業務をより良いものに改善していく際の拠り所として共に成長していきたい。

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サステナブルな世界をつくることを目指して

――貴社の事業内容や目指しているビジョンについて教えてください。

世界全体で一日あたり約20億杯消費されていて、石油に次ぐ取引規模を誇る国際商品である「コーヒー」ですが、実は、国際相場の下落や、投機による価格の急激な変動などにより、世界各地での転作や離農が相次いでいます。また、地球温暖化による気候変動の影響で、小規模生産者の収穫量は減少傾向にあり、コーヒー生産地として名高いケニアやエルサルバドル、メキシコなどのコーヒー農家は深刻な危機に直面しています。

TYPICAは、このような社会課題を解決し、誰もが利用できるオンラインプラットフォームでのダイレクトトレードを活性化させることで、コーヒー生産者の収益性を確保し、クオリティの高いコーヒーのサステナビリティを高めたいという思いで創業された会社です。

2021年10月にはコーヒー農家と自家焙煎コーヒー事業者(ロースター)による麻袋一袋単位でのコーヒー生豆のダイレクトトレードを可能にする、世界初のオンラインプラットフォーム「TYPICA」をグローバルローンチ。「共に幸せに生きる」という経営理念を掲げ、自分たちだけではなく世界全体の幸せをつくり、サステナブルな世界をつくることを目指して、事業を展開しています。

ビジネスの変化に合わせてカスタマイズできることが導入の決め手に

――どのようなきっかけでマルチブックのサービスを知りましたか。

マルチブックを知ったのは2021年の年末頃です。オンラインプラットフォーム「TYPICA」をグローバルローンチし、2022年1月にオランダ拠点会計システム立ち上げを予定していました。その後も韓国、台湾、アメリカと、次々と海外拠点の会計システムを立ち上げる計画があり、グローバルな会計システムを必要としていました

バックオフィスの機能を日本に集約しながら、遠隔でグローバルな会計管理ができるシステムを探していたところ、当社がお世話になっている「国際会計事務所SCS-Invictus※1(以下、”SCS”と表記。)」の会計士の先生に、マルチブックを紹介いただきました。

※1国際会計事務所SCS-Invictus 様のmultibook導入事例はこちら

――multibook導入の決め手は何でしたか。

SCSからの紹介で、SCSとマルチブックが連携してサポートいただけることへの安心感がありました。また、当社の事業特性上、会計も決してシンプルではないので、対応できるサービスの選択肢自体が多くありませんでした。

なにぶんオランダ拠点が立ち上がり、早急にグローバル会計システムを導入しなければならない状況で。私も初めての経験でしたから、私たちに寄り添いながら、迅速に動いていただける会社を探していたんです。マルチブックのご担当者は豊富な知識と経験をお持ちでしたので、この点を十分にクリアしていました

また、完成されたシステムをポンと渡されるのではなく、こちらの要望に合わせてカスタマイズできることも決め手の一つになりました。当社のようなスタートアップは、常に改善・改良を重ねてビジネスが変化していきますし、今後も拠点がどんどん増えていく計画でしたから、ビジネスの状況や形態に合わせて会計システムもアップデートしていけることが重要だったのです

システム導入がゴールではない
先を見据えて、グローバル会計基盤を築くことに注力

――海外法人への導入はどのように進めましたか。導入時の課題や苦労した点があれば、教えてください。

まずは、最初に立ち上げたオランダ拠点への導入を進めました。ものすごく短いスパンで、なかば無理を申し上げながらの導入で……すごく助けていただきました。たしかマルチブックと契約をしたのが1月20日前後。1月末に向けて早期にシステムを立ち上げなければならない状況で、実質3日で立ち上げまで持っていってくださったんです。私も他の業務に追われていて、なかなかまとまった時間がとれなかったのですが、「他の作業をしながらでもいいので」とオンラインでつなぎながら対応をしてくださったりと、もう本当にフルサポートで、手厚く伴走してくださいました

ありがたかったのは、短期間での対応であっても、今回の導入の目的がぶれなかったこと。システムの早期導入がゴールではなく、先を見据えながら「税務申告を期日内にきちんと完了できる状況をつくること」「統一されたグローバルな会計基盤をつくること」を念頭に対応してくださったと感じています。

会計は、最初の枠組みが肝心です。元のデータを引き継いでいくわけですから、いくら急ピッチで進めていたとしても、省いていいものといけないものを見極めることが重要なんです。この点に関しても、マルチブックのご担当者がリードしてくれました。私たちの要望や疑問に対して、一つひとつアドバイスしてくれ、最適解を探しながら進めてくださった。だからこそ、これだけの短期間でスムーズな導入が実現できたのだと思っています

またその後、韓国と台湾への導入を同時に進めました。現在は、別の会計ソフトを使っていた日本のホールディングスと事業会社へのデータ移行が完了したところです。今設立に向けて動いているアメリカ拠点が立ち上がり次第、multibookを導入する予定です。

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柔軟性や機動力を評価
マルチブックはスタートアップの良き伴走者

――multibookを導入して良かったことや成果について教えてください

グローバル会計の基盤をつくれたことが、やはり最も大きな成果だと捉えています。どの国に進出したとしても対応できる、グループで標準化されたプラットフォームの仕組みをつくることができたと感じています。私たちにとっては試算表をすべて統一して出せることがとても重要で。日本のみならず、海外の投資家にお見せできる資料を容易につくれるようになり、ほっとしています。

また、当社がビジネス展開していく上で重視しているキーワードに“透明性”があります。TYPICAではすべてのロットにおいてサプライチェーンと価格の内訳を開示しています。透明性を確保することで、生産者をはじめコーヒーに関わる人々の収益性を健全に保ち、コーヒーのサステナビリティを高めたいと考えているんです。会計においても、それは同様です。グローバル拠点の立ち上げと同時に、世界標準のグローバル会計システムを整え、透明性が高くクリーンな管理体制を築くことは必須でした

――multibookを他社におすすめしていただけるとしたら、どのような会社にフィットしそうだと思われますか

世界標準の会計基盤をつくりたいという企業は当然ながら、フィットしますよね。今回、マルチブックの担当者の方に、TYPICAの業態や業務特性などをヒアリングいただきながら、当社仕様の会計システムをつくっていただきました。でも仮に、今後多角化経営など事業の広がりが出てきた場合にも、セグメントをかけたり、項目を追加したりして、事業拡大に対応できるとのことでした。ですから、どのような業態・形態の企業にも合うと思います。グローバル会計管理のクリーンさという点でESG経営(「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の要素を考慮した経営)を目指す企業にもお勧めできるはずです

また、multibookは大手企業で活用されているイメージがありますが、柔軟性や機動力という面でスタートアップにも十分対応できると実感しました。むしろ、自分たちがやりたいように変えていけるという点では、スタートアップやベンチャー向きなのではないでしょうか。

――最後に、今後マルチブックに期待することについて教えてください

先ほどもお話した通り、システムの導入がゴールではありません。これから運用して、より良く改善していくことが大事だと思っています。これから、“自分たちのmultibookを育てていきたい”と考えていますので、今後も引き続きサポートいただきたいです。

(取材・文/猪俣 奈央子)

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お客様概要

  • 会社名

    TYPICA Holdings株式会社

  • 事業内容

    コーヒー生豆のオンラインマーケット事業

  • URL https://typica.jp/

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